左利きに対する戦術

松平賢二

聞き手:

左利きの相手と試合をするときに自分が有利に試合を進めるためには、何が重要になってきますか?

松平選手:

まず左と右で攻め方が一番違うのは、左とやるときは、「タイミング」が、すごく大事になってきます。

そのタイミングというのは、右利き同士でやると、

  • ちょっと打球点を落としてゆっくり返しても攻められない
  • 球が速ければポイントできる

ということが、多々あるんですよ。

球のスピードだけでも、けっこう勝負できたりする。

でも左の場合は、なかなかその球のスピードというよりは、

  • タイミングを早くする
  • 返す打球点を速くする

というのが、すごく大事になります。

写真1

今回のDVDの中でも、右利きの選手が相手のときに、「タイミングを早く」という攻め方は、あまり使っていません。

でも、左利きに対する戦術のときに、

  • 「回り込んで、できるだけ早いタイミングで打つ」
  • 「バックで決めに行くときに、なるべく早いタイミングで打つ」

という言葉を使っています。

基本的に、左利きの選手と試合するときは、速いボールというよりも、「早いタイミングで攻める」というのが、かなり大事になってくるポイントです。

聞き手:

なるほど、ほかには何がありますか?

松平選手:

あとはもう単純に回転が同じことをしても、回転が逆向きになるので、その回転を自分の中で理解すること。

写真2

右と同じように出していても、全く逆の回転になります。

なので、そこだけはやっぱり注意して、右利きとの違いを考えて、自分でしっかりとリターンすることがかなり大事になってくると思います。

聞き手:

ということは、例えば、対右利きでは、Aの回転でBのコースに攻めたほうが有利だけど、その攻め方は左にとっては?

松平選手:

不利になるケースもかなりありますね。

あともう1つは、基本的なことですが、基本的に日本の卓球選手は右利きの選手がほとんどです。

ほとんどの選手が練習するときは、大体1人がブロックして回してもらって、それでもう片方の選手が、フットワークみたいな感じで結構動く練習をします。

それが、基本的にバック側にボールを集めています。

右利き同士で練習すると、バック側に集めて打つんです。

フォア側に打つと結構カウンターや打ち返しのボールを食らうので、基本的にみなさんバック側に打つ練習をするんですけど、逆に左利きの選手と試合をやると、そのバック側が逆になるので、フォアでカウンターを取られたりするんですよね。

どうしても無意識のうちに、相手のフォアに、右利きのバック側に打ってしまうことがかなり多いんです。

それで、カウンターなどを取られることが多い。

なので、普段練習するときに、バックでブロックして回してもらうだけじゃなくて、なるべく違うコース、右利きの選手と練習するときでもフォアからフットワークを回してもらうとか、そういう練習をしておけば、どっちのコースにもある程度打てるようになるので、まずこれは練習のときに意識してほしい部分ですね。

写真3

聞き手:

普段の練習で少し意識を変えるだけでも左利きの対策ができるということですね?

松平選手:

そうですね。

普段の練習から、あんまり相手の右選手のバック側だけに打つのではなくて、なるべくもうちょっとフォア側からフットワーク練習を回してもらうとか、もうちょっと真ん中から左右じゃなくて、真ん中に立ってもらった状態でフットワークを回してもらうとか、そういう練習を入れていくと、満遍なくいろんなコースに打てるようになると思います。

やっぱり緊張した場面になると、いつもの練習をしていることが無意識のうちに絶対に出てくるので、自分の得意コースに打ってしまいがちで、その場面で相手が左利きとなると相手の得意パターンにハマッて、カウンターを食らってしまうということがあるので、ある程度どのコースにも万遍なく、打てるような感じで練習しておくのがベストだと思います。

左利きが苦手な人は、いつもバックでブロックしてもらっていたものを、ちょっとフォア側に変えて練習するだけで、かなり変わってくると思います。

普段の練習で右利きしか練習相手がいない場合って結構あると思うので、そういう場合は、いつも練習しているコース取りをちょっと逆にして練習してみるというような工夫が大切ですね。

聞き手:

なるほど、じゃあ、普段の練習から左利きを想定して練習をしていくことが1つと、今回のDVDで、具体的に右と左の攻め方が違うというところを理解していけば、右利きであろうと、たまに当たる左利きであろうと、その区別ができるから、自分が有利に試合を進められるようになってくるということですか?

松平選手:

そうですね。

DVDをご覧いただければ戦術の幅は確実に広がると思いますし、相手が右利きであっても左利きであっても、有利に試合を進めることができると思います。

松平賢二のシングルス必勝戦術 ~サーブからポイントをとるための戦術パターン~