初心者でもできるフリックの打ち方とコツ
フォアハンドのフリックが出来ると、戦術の幅が広がります。
対戦相手はあなたのフリックを警戒して3球目攻撃の威力が落ちることでしょう。
初心者には少し難しいと思われる技術です。
しかし、だからこそ取り組む価値のある技術と言えます。
今号では、初心者でも簡単にできるフォアフリックの打ち方とコツを説明します。
フリックの打ち方
右利きを前提に説明します。
フォア前に出されたショートサーブに対し、
1.タイミングを合わせ、まず右足を大きく踏み込む。
2.肘が伸びた状態で打たない様に、身体を近づける。※顔を近づけるイメージで、と言われる。突っ込み過ぎず、離れ過ぎずの距離。
3.正確なラケット角度を作る。サーブの回転に応じて角度を変える。
4.その角度を保ったままインパクトする。「そのまま押す」が基本。慣れてきたら「弾く」。ラケットを軽く握っておき、インパクトの瞬間だけ力を入れる。バウンドの頂点を狙い、小さく・速く・鋭くスイングする。
5.相手の返球を予測しながら素早く戻る。
と、なります。
練習のやり方
まずはナックルショートサービスをパートナーに出してもらい、それをフリックする練習をします。
始めに、ラケットを持たず出されたサーブを素手でキャッチします。
この時、前述の1と2が出来ているかを確認します。
これが基本姿勢からインパクト直前までの身体の動きになります。
フリック出来る位置まで速く正確に身体を移動する練習です。
これ無くして良いフリックは出来ません。
身体に覚え込ませるように繰り返し練習して行きましょう。
その後に、実際にラケットを持って、3~5の練習をします。
ナックルサーブに対してですので、ラケット角度は台にほぼ垂直、若干上向きにします。
そのままの角度で押す練習から始めます。
コースはフォア・バック・ミドルに打ち分けながら相手コートに深く入れます。
ラケットのスイートスポットにきちんと当たっているかをチェックします。
コツは直前までリラックスし、インパクトの瞬間だけ力をいれることです。
押して入れるフリックがほぼ出来る様になったら、
・押すイメージで入って最後に弾く
・押しながら最後にラケット被せて擦る(ドライブする)
を練習します。
ナックルサーブは、相手の回転が無いため実はこちらで好きなように返せるというメリットがあるのです。
細かい技術なのですが、フリックのなかにも弾いたり、ドライブを掛けたりと、色々な打ち方があります。
自分がやり易いフリックの打ち方が見つかる可能性もあります。(こうなると楽しいです!)
以上、ナックルサーブに対するフリックの練習のやり方を述べました。
これを基本にして、
・横回転系サーブ
・上回転系サーブ
に対するフリックを練習して行きます。
回転が掛かっているので、3のラケット角度が変わってきます。
また「押す」という選択肢はまずなくて、正確なラケット角度を出しながら弾くか、相手の回転を利用しつつ回転に負けない様に擦る打ち方になります。
どのボールを狙うか
フリックで狙うべきボールと、フリック以外の技術で狙うべきボールの2種類があります。
以下の3つの要素を頭に入れて、フリックで狙うべきか否かを素早く判断するクセをつけましょう。
1.長さ
・台上で2バウンド以上する、短いボールを狙う。
・台から2バウンド目で出るボールはドライブで狙う。
・従って台から出るか出ないかを見極めることが重要となる。
2.コース
・フォア前(からミドル前)に来たボールを狙う。
・バック前(からミドル前)に来たボールはチキータで狙う。
・ミドル前はフリックとチキータのどちらでも処理できると良い。
・フリックで速く打つと速く返球されるので、オープニング(隙)を作らないことが重要である。
3.回転
・上回転系、横回転系、ナックルを狙う。
・下回転系はストップをする。フリック出来ることは理想だが技術的に難しい。
・回転を見極めることが重要である。
フリックのコツ
これまで述べてきた通り、フリックのコツは集約すると以下の2点です。
1.相手のボールをよく判断し、フリックで狙うべきボールを狙う。
2.素早く身体をボールに近づけてフリック出来る態勢に入る。
この2点がフリックの土台となります。
相手の回転に応じたラケット操作は、決して軽視しているわけではありませんが、この土台の上に成り立つ技術です。
フリックの使い方のコツ
フリックは多用すると効き目が薄いです。
相手に待たれるからです。
それよりかは、フリックもあるぞと相手に見せておく使い方の方が効果的です。
フリックを警戒させておいて、ストップや流しレシーブをして、4球目以降を有利な展開にします。
あるいは、相手が忘れた頃に何気ない素振りからいきなりフリックをする戦術が良いです。
試合の流れや相手の心理を読み、ここぞという時に思い切って使うのです。
そのためにも、試合の前半で、相手のサーブをよく観察してフリックで狙えるボールかを確かめておきます。
効果的な使い方も覚えて得点に結び付けて行きましょう。
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昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)