ゲーム練習で気付いたこと
先日の定期練習の中では、試合を間近に控えていたこともあり、仲間内でゲーム練習をやりました。
ゲーム練習は、通常の練習の後半で習慣的にやっていたのですが、ふと改めて気付いたことがありました。
せっかく気付いたので、その体験を皆さんとシェアしたいと思います。
【ゲーム練習の目的】
何のためにやるのかという「ゲーム練習の目的」をしっかり把握しておくことが大切です。
自分では分かっているつもりでも、実際のところ曖昧だったりするケースが実は多いのではないでしょうか。
ここで、はっきりとおさらいしておきましょう。
ゲーム練習の目的は、
・間近に迫った大会に向けて調子を出す。
・現時点で練習したことがどれだけ出来るかを確認する。
・試合勘を磨く。
の3つだと私は思っています。
ミスを恐れず練習した技術を思い切って出すべきですし、自分の得意技をどんどん出して積極的なプレーをすれば良いと思います。
こうすることで、調子が上がって来るし、練習した技術が本番でどれだけ使えるかを、ある程度掴むことが出来ます。
本番の試合で自分は何を柱にして戦うのかをゲーム練習の中で再確認していく形です。
しかしゲーム練習の中で、主戦技術が自分が思う様に上手く行かない時もあります。
どうも何かの感覚がズレている時です。
そんな時は、ゲーム練習を早めに切り上げてもう一度自信を持ってプレー出来るまで、主戦技術を磨いた方が良いと思います。
目的は、本番の試合で力を発揮出来るように準備することだからです。
【チーム内でやるゲーム練習の注意点】
チーム内でやるゲーム練習は、少し気を付けておかなくてはならない注意点が3つあります。
1つ目の注意点は、レシーブでフライングをしないことです。
普段練習している相手と対戦するから、「お互いに手の内を知っている」状態です。
ですから、相手がサーブの構えに入った時点で、サーブの種類がある程度予測出来ます。
サーブを予測出来るものだから、レシーブをフライングしてしまうのです。
これは誰もが、ついやってしまうことです。
実際の試合では、まず予測出来ません。
よほど実力差があるか、たまたま読みが当たったケース以外あり得ないことです。
ですから、実際の試合を想定して、チーム内のゲーム練習ではレシーブをフライングしない様に厳に慎むべきです。
むしろ分かっているからこそ、スタートをわざと少し遅らせるくらい負荷をかけて練習しておく方が、実際の試合で活きます。
強気に、しかし丁寧にレシーブすることを心掛けたいところです。要は本番の試合を常に想定しながらやることです。
試合ではレシーブが必ずキーになりますので以下の2つ、
・簡単にミスをしない
・相手に楽々と3球目を打たせない
これだけでも実行出来ると、試合はかなり有利になります。
2つ目の注意点は、試合の結果に一喜一憂しないことです。
チーム内でやるゲーム練習では、試合の勝ち負けそのものは、あまり参考にならないと思った方が良いです。
試合はそもそも相対的なもので、あなたが調子良くても負ける時もあれば、あなたが調子悪くても勝つ時もあるのです。
勝てばある程度自信が付きますので、勝つことに越したことはないのですが、あなたの調子を測るバロメーターにはなり得ないのです。
対戦する普段の練習相手も、調子が上下し、一定の実力でないからです。
それよりも、試合内容に着目したいところです。
課題として取り組んできた新しい技術は、ゲーム練習の中でどの程度使えるかを積極的に試すべきです。(成功率はどれくらいだろうか、とか)
普段よく使う技術は、いかにミスなく精度を高められるかにポイントを置きます。
(しっかりボールを判断して打てているか、力が入り過ぎていないか、とか)
これが普段練習してる相手にミスを連発するようでは、本番の試合で使えません。
自信を持って使えるレベルまで、精度を高めて行きましょう。
3つ目の注意点は、サーブの配球も本番さながらに考えて出す、ということです
本番さながらに配球して出しても、普段の練習で受け慣れている相手には、あなたのサーブは効かないかも知れません。
しかし本番の試合では、相手はあなたのサーブを初めて受けるので、効く可能性が充分あるのです。
これは「嬉しい誤算」ですが、そのためにも本番さながらに練習しておき、ご褒美を頂く準備しておくのです。(笑)
【試合勘を磨く】
試合勘を磨くためには、具体的に何をすれば良いかと言うと、一つ目は「得点の計算」です。
自分の得点と相手の得点は、それぞれ現在何点で何本差なのかを常に意識します。
得点を全く気にせずに目の前の1本に集中する方法もありますが、それは特殊なケースです。
結果を気にし過ぎて緊張で固くなるケースがそれに該当します。
それ以外は、試合の流れを掴むためにも、得点を意識すべきです。その得点から今やるべきことを考えるのです。
分かり易い例で言いますと、あなたが4本リードの時にチェンジサーブで相手にサーブ権が移ったとします。
あなたがこの状況だとしたら、レシーブの1本目で何を選択しますか。
私なら多少のリスクを負ってでも、今までと違う攻撃的なレシーブをします。
ミスしてもまだ3本差ですし、それで仮に得点出来れば5本差になります。
相手に対して「こんなレシーブもやってくるのか」と警戒心を抱かせる効果もあります。
もうお分かり頂けると思いますが、これは「リードしているからこそ採れる戦術」です。
ですから常に自分と相手の得点と、その得点差を意識しておくことが大事なのです。
もう一つは「相手の心理を読む」です。
相手の心の変化に応じて、こちらが打つ手を変えて行くのです。
本番の試合で出来るように、ゲーム練習の中でもやっておくのです。
相手の心の変化を見抜くのには、自分を知り相手を洞察する訓練が必要です。
易しいところでは、相手がミスをした時の相手の反応を観察することです。
必ず何らかの心の変化があるはずです。それが言動に現れます。
一般的には、人間はミスをすると、挽回してそのミスを帳消しにしたい、という心理が働きます。
自分だったらどんな気持ちになるかと想像すると、よく分かると思います。
そこを逆手に取るわけです。
私はカットマンなのでカットマンの立場で、カット対カット打ちの例を挙げます。
私のカットの変化を相手の選手が見誤り、カット打ちをミスしたとします。
次の対応として、積極的な選手ならより攻撃的に強打で来るでしょうし、慎重な選手なら繋いでくると思います。
いずれにしても、私は次の手として、出来るだけ直前のカットに似せて、違う種類の回転のカットを相手に送ります。
私のカットの変化を相手がもし見誤れば、またミスが出るのが期待出来ます。
もしミスが出たとすると、相手としては直前のカットの変化も対応が分からないし、今送ったカットの対応も分からない状態になります(ミスの相乗効果)。
この様に、自分の都合でカットに変化を付けるのではなく、相手の心の変化に応じて、こちらも変化を付けて行くのです。
こうすることで、
「相手が私のカットを打つのにミスをした」
ではなく、
「私が相手のカット打ちをミスさせた」
状態になるのです。
また、試合やゲームの前半と終盤では、相手の出方も変わってきます。そこに得失点差も関係してきます。
相手の心理を読むのは、ゲーム練習や実際の試合で体験を積まないと、なかなか身に付くものではありません。
ゲーム練習の中で実際の試合の疑似体験をし少しずつコツを掴んで参りましょう。
真摯に取り組めば、必ず出来るようになります。