中高年のための体力トレーニング
全国的に寒波が到来しています。
大雪の降る地方にお住まいの方、どうかご注意・ご自愛ください。
さて、体力トレーニング(以下、トレーニング)と聞くと、あなたはどんなイメージを浮かべますか?
歯を食いしばってやる苦行の様なもの、というイメージではありませんか?
確かに楽なものではありませんね。
トレーニングは第二象限だと私は思います。
「緊急ではないが重要なこと」です。
※緊急性と重要性の2つの要素で分けると、以下の4つの象限に分かれます。
第一象限:緊急でかつ重要
第二象限:緊急ではないが重要である
第三象限:緊急であるが重要ではない
第四象限:緊急ではなく重要でもない
やり続けるのと、全くやらないのとでは、今は大差なくても将来大きな差となって現れてきます。
今号では、中高年の域に達した私OBUが現在行っているトレーニング内容と、トレーニングに対してどんな考えでいるか、をご紹介します。
【私がやっているトレーニング】
毎日やっているのは、ウォーキングです。
「とにかく歩くこと」を意識しています。
ウォーキングのためにわざわざ時間を取るのではなく、徒歩での通勤をしています。
こうすれば一石二鳥です。(^^)
職場まで小高い丘陵を1つ越えて行きます。
片道で20分。歩くにはちょうど良い距離です。
スマホで歩数を計測していて、1日に何歩、歩いたかがすぐに分かります。
これはとても励みになりますね。
目標を少し低めに設定していて、今日もクリアできた!と自分に○をつけることを積極的に行っています。
こういう方法なら、楽に続けられます。
体調が良いと少し走ったりもしますが、負荷をかけることよりも毎日続けることを重視しています。
これは、身体が運動することを忘れてしまうことを防止するためです。
例えば、病気で寝込んでしまった後や、ついつい寝正月を決め込んでしまった後に、運動すると最初は身体が重く感じられます。
これが身体が運動することを忘れてしまっている状態です。私はこれを怖れています。
そうならないために、体調があまりすぐれない時でも続けられる程度の目標設定にしているのです。
【たまに、登山】
年に数回あるかないかですが、たまに日帰り登山もやります。
実は私は登山も好きなのです。
標高1,000メートル前後の手頃な山々が私の住んでいる静岡にはあります。
仲間と登ることが多いですが、1人で登る時もあります。
街中を歩くのとは、また違って、自然の中を歩くのは気分転換になり、それでいて勾配を上ったり下りたりするので、かなり良いトレーニングになります。
登山の良いところは、歩いているうちにだんだんと雑念が取れて、ただひたすらに歩くモードに入っているところです。
山道を歩き出した時は、よしトレーニングで登ってやるとか、前回のタイムを下回るとか「目的」的になっていることがよくあります。
それが一定のレベルを超えると、そんな雑念が消え去り、自然の中に身を置き歩いている行為そのものが楽しくなって来るのです。
そうなると周囲の景色が、よく目に入ってきます。ここに祠があったのかなど、小さなことに気付く様にもなります。
そうなって初めて自然と一体化します。
風に揺れる木々のざわめきが聞こえたり、木立の中を一直線に差し込む日光が美しく輝いて見えたり、落ち葉の積もった柔らかい山道を幸せを感じながら歩いたり出来ます。
それらは全て一生のうちに一度だけ出くわすことの出来る光景なのです。
まさに「今ここ」なのです。
もしかしたら、これと似たような光景に再び会えるかも知れませんが、それは全く同じではありません。
少なくとも時間が経過し、私たちはその分、老いているわけですから。
その時はその時で「今ここ」であり、自分の感じ方も変わっていることでしょう。
【呼吸法のレッスン】
私は「呼吸法」のレッスンを受けています。
以前、このメルマガで紹介したことのある、ロジェ先生に教わっています。
たかが呼吸、と侮るなかれ。
これが、結構、奥が深いのです。
腹式呼吸は、皆さんもご存知だと思います。
そんなの簡単に出来るよ、と私も最初はそう思っていました。
しかし、本当の腹式呼吸って、相当練習しないと出来ないものだとレッスンを受けて初めて分かりました。
様々な腹筋を自分の思う様にコントロールしないといけないのです。
息を吐き切ることも、大切なのです。
ロジェ先生のレッスンは独特で、これらの深い呼吸をすると同時に、様々な身体の動きをしていくのです。
ヨガの要素が多いですが、エアロビの様にリズミカルな動きがあったり、筋トレや武道の精神統一のメニューもあります。
ロジェ先生のレッスンのお陰で、私は身体が締まり、柔軟性が増しました。
理想とする、しなやかで強い身体に少しずつ近づいている感じがします。
一回一時間、月に5~6回のレッスンですが、やはり継続は大切ですね。3年続けました。
【中高年に向けたトレーニングの考え方】
リタイヤした人を除き、私たち中高年は仕事があるため、まず時間がありません。
ですから、まとまった時間をわざわざ作ってトレーニングをするよりも、日常生活の中に小さな積み重ねとして行った方が、結果的に沢山の量をこなせるのでは?と思います。
毎日続けることを強調して来ましたが、もう一つ大切なことがあります。
それは「積極的に休む」ことです。
どうも日本人は真面目で、努力することが尊くて、休むことは罪悪であるという考えが根底にある気がします。
そうではなくて、疲れたな、しんどいなと少しでも思ったら、すぐに止めることです。
無理が一番いけないのです。
少しお金はかかってしまいますが、私はスーパー銭湯に行ってマッサージを受けたりして、よく休んでいます。
その代わり、休んだらすぐに切り替えて、また日常トレーニングに向かうのです。
そして最も大切なことは、トレーニングする時も積極的に休む時も、どういう心持ちで行うか、ということです。
やらなくてはならないから、という焦りや義務感は全く不要です。
こんなことをしても良いのかしら、という迷いや後ろめたさも全然要りません。
自分の機嫌は自分で取るのだという姿勢で、是非あなた自身とあなたの行動を肯定してあげて欲しいのです。これで良いのだ、と。
普通に生活していれば、嫌なことや辛いことや面倒なことが、沢山あるのが当然です。
しかし、「それはそれとして」という魔法の言葉でさらりとかわして、明るく前向きに生きることです。
トレーニングと休養のバランスが取れ、気持ちも明るく前向きでいると、好循環が生まれ、当然結果も良くなります。
是非、読者の皆さんも、ご自身が出来る範囲でのトレーニングから、まず始められることをお勧めします。