フットワークについて その3
いつも読んで下さってありがとうございます。
今号も前号に引き続き、フットワークについてのお話です。
今号ではカットマンとしての私の体験談をご紹介します。
カットマンが覚えなくてはならないフットワークに、
「フォア前のツッツキとバックカットの前後のフットワーク」
があります。
カット攻略の上手な選手は、決まってカットマンを前後に動かすのが
上手いのです。特にフォア前とバックに深く交互にボールを送り、
相手を斜めに動かすのは彼らの常套手段です。
逆にカットマンとしては、そんな相手の攻撃を読んで、余裕を持って
カットで拾えるように訓練しておかなくてはなりません。
高校時代の私は「高島規郎先生のカット講座」を教科書にしていました。
当時の卓球レポートに連載されていたのです。(懐かしい!)
高島規郎先生は世界選手権でシングルス3位になった方で、
世界一美しいカットフォームで「ミスターカットマン」と
称された素晴らしい方です。(#^^#)
その中で書かれていたフォア前からバックカットへの脚の運び方は
次の様なものでした。
・1歩目に左脚を小さく左後方に引き、
・2歩目に右脚を左脚の「前を」通して大きく動かし、
・3歩目に左脚を大きく左後方に動かす。
私は高島先生を絶対の師匠として仰いでいましたので、
これが正しい脚の動かし方だと信じて疑いませんでした。(#^^#)
ところが大学生になって、ある強化合宿に参加した時に、
コーチから教わったのは、これとは違う脚の運び方でした。
つまり、
・2歩目に右脚を左脚の「後ろを」通して大きく動かし、
だったのです。
見本を見せて下さったカットマンの選手(女性)は、
実にスムーズに脚を動かしてドライブボールをバックカットで
キレイに処理をしていました。
実際にやってみると腰のひねりが少ない分、無理なく動けることが
体感できました。なるほど一直線に左後方へ動くにはこちらの方が
スムーズだと納得できました。
なんだか大好きな高島先生の教えに背く様で、気が引けたのですが。(^^;;
合宿を終え母校に戻った私は、早速この練習を採り入れました。
中にはカット打ちの未熟な練習相手もいましたが、たとえ相手の打球が
オーバーミスしようとも、私はこの脚の動かし方をマスターするために
そのボールでさえも追いかけました。
高校時代、体力トレーニングに明け暮れていたので、その蓄積も手伝って
フットワーク練習を長く続けても平気でいられました。
中国の林慧卿選手の左手を高く上げるフリーハンドを採り入れたり、
張變林選手の背中が相手に見えるくらい身体をひねるフォームを真似
したりしました。当時の卓球レポートに写真がありましたから。(^^;;
しかし私の心の中には、いつも憧れの高島規郎先生がいたのです。(#^^#)
高島先生のような広い守備範囲を自分も動けるようになりたい!と。
この続きは次号で・・・!
・・・・・
因みに、その合宿は「下部校強化合宿」と呼ばれ、東海リーグで一部に
所属する大学であるA大学やC大学の選手が中心になって、私たちのような
二部や三部に属する大学の選手を強化する目的で行われる合宿です。
私が学生の頃には、そういう合宿があったのです。(^^;;
なるほど一部校の選手たちは当り前の様にこういう練習をしているのだ、
どうりで強くなるわけだ、と目からうろこが落ちる思いをしました。
私が高校時代にはビデオもありませんでしたから(笑)、卓球の本に
載っている連続写真を見てイメージを膨らませていました。
あれから数十年の時間を経て経験的に思うのは、卓球が上達するためには、
1.本を読んで学ぶだけでは卓球の上達に限界がある。
2.練習方法をよく知っており第三者的な見方が出来るコーチが必要である。
3.卓球が好きで、ある程度の技術がこなせる練習相手が必要である。
ということです。
周囲の方のお陰で卓球が出来ることを感謝しなくてなりませんね。
大好きな卓球が出来ることは本当にありがたいことです。(#^^#)