試合中の思考について「その2」
いつも読んで下さってありがとうございます。
読者さんから質問の回答の続きです。
——【ここから】——
こんにちは卓球を2、3年ほどやっている高校生です。
試合中に関する質問なのですが、私は考えてプレーした方が良いに
決まってることは分かるのですが、何を考えてプレーすれば良いか
分からず、結局気付いたら無心でプレーをして、いつのまにか負けて
いたりします。
私はレシーブが苦手なのですが、相手のサーブが何回転なのかすら
考えられなくてうまくいきません。また、友達は相手の弱点を探ったり、
相手の心情まで分析したりしているのですが、やってみようとしても
全然分かりません。
また、試合後に友達はあのプレーがどうだった。といって振り返って
いますが、私は無心になってしまっていて、自分も相手のプレーも
よく覚えてないことが多いです。
どうすれば考える卓球ができるのでしょうか。
また、ボールを打つ瞬間にも考えたりするのでしょうか。
——【ここまで】——
前号では、
1.「何も考えずに無心にプレーする」ことについて
2.試合中に「何を考えるべき」か
1)自分について
2)相手について
3)孫子の兵法について
4)最低考えなくてはならないこと
3.長所伸展という考え方について
について、お話しました。
今号では、その続きとして、
4.レシーブの回転の見分け方について
5.ラリーの間の思考と、打球する瞬間の思考
6.試合後の分析、反省
7.どうすれば「考える卓球」が出来るか
について、お話します。
4.レシーブの回転の見分け方について
これについては以前のメルマガ「相手のサービスの見分け方」で
詳しく述べていますので、ここで詳しい説明は割愛します。
「相手のサービスの見分け方」についてはコチラ
http://rs39.net/c/tt/cpsr_4/bl/
文面から察すると相手のサービスに対してかなり「感覚的に」
レシーブしているように思われます。
たまたま入るかも知れませんが、ハイリスクなやり方と言わざるを
得ないです。
初対面の1本目はそれでも良いかも知れません。
2本目からはそのレシーブの情報を元に補正して行かなくては
厳しいでしょう。
そのレシーブが浮いたのであれば、ラケット角度を抑え気味にし、
逆にネットに掛けたのであれば、より上向きにして次に臨みます。
レシーブに関してだけは「理性的」「分析的に」行なった方が良いと
思います。
5.ラリーの間の思考と、打球する瞬間の思考
相手が打球する → そのボールを判断する → 自分の打法を決める
→ 実際に打球する → 相手の次の打球を予測する
ラリーの最中には、およそ上記の流れの繰り返しだと思います。
自分が打球した後に、それがどの程度相手を圧倒したのかを感じる
必要もあります。
自分が押しているラリーならば、次の相手の打球も読み易いし、
ようやく返した打球ならば、次の相手のおそらく強打に備えなくては
なりません。
打球する瞬間には、何も考えません。
その前段階で自分の打法を決めているからです。
打球する瞬間は、ただ想いを込めて打つだけです。(^^)v
6.試合後の分析、反省
私が接する強い選手は全員「勝つべくして勝っています」。
たまたま偶然勝った試合は無く、試合中にどうやったら勝てるかを
必死に模索しているように私には見えます。
もちろん試合後に「運がよかった」というコメントを聞くことも
ありますが、試合の中の9割以上は次の1本をどうするのか、この
ゲームをどう持っていくのかを考えている様です。
何故、接戦をものに出来たのか、何が勝負を分けたのか。
試合後にそれを抑えておけば次の試合に繋ぐことが出来ます。
似た場面が再び訪れた時に、その経験値が活きて来るのです。
技術的な反省と精神的な反省がありますが、後者の要素は大きいです。
7.どうすれば「考える卓球」が出来るか
まずは格下と試合をすることだと思います。
心に余裕があるはずですから、その時に考える癖をつけましょう。
楽勝だからといって遊んでしまっては元も子もありません。
むしろ相手の立場に立って、今相手は何をしてくるだろう?と
相手を読む練習をするのです。
それを元に同等クラスの選手と対戦したときも実践します。
要は、ちょっとだけ考える癖をつける、ことです。
例えば、
「この(今までと同じ)レシーブで本当に良いのだろうか?」
「相手に待たれているかも知れないから、少しだけ変えてみよう」
とか、です。
考えるのが苦手ならば「少しだけ」でいいと思います。
やれるところから実践してみましょう。(^o^)d