必勝の極、不敗の極
こんにちは!
いつも読んで下さってありがとうございます。
読者さんから質問を受けましたので、今回はそれにお答えします。
とても長い質問文でした。
おそらくそれだけ悩みが深いのではないかと私は受け取りました。
質問文の中に私が回答すべきポイントがいくつかあります。
1回のメルマガでは回答しきれませんので、2回に分けてご回答致しますね。
> —–【ここから】——-
>
>
> OBU様
>
> いつもメール拝読させていただいています。
>
> まだまだ、経験の浅い自分なので、初歩的な質問になりますが
> よろしくお願いします。
>
> 攻守のバランスという題目のメールで、ちょっと関連して教えて
> いただきたいことがあります。
>
> 私は、最初に卓球スクールのようなところで、基本の練習、
> 3,4,5球目攻撃の練習などだけをしてきました。
> ダブルスはしましたが、シングルスはほとんどしていません。
>
> その頃から感じてはいたのですが、そこをやめて、地元のサークルに
> 入ってから(ここは、教えてくれるところではありません。自分で
> 習得するところです )
> 自分の卓球が一かゼロかであることを、感じています。
>
> 卓球競技でなんていうか、遊びから始めれば当然なことですが、
> 「相手のコートに球を返す」
> という部分で、私の卓球は、卓球ではないと感じます。、
> つまり、卓球の流れが、すべて攻撃で成り立っていると感じているのです。
> 技術のない私にとっては、レシーブができなくてどうして攻撃ができるん
> でしょうか?
> うまく、相手から思うレシーブが返ってきたときだけ、攻撃がうまく決まる
> というパターンを繰り返しています。勝手に体が回り込んで打つ体勢になり
> ます。無理なのに・・。たまに決まるから体が覚えてしまうのでしょうか。
>
> 以前に比べると 、少しだけ突っつきで、つなげることもできるように
> なってきましたが、基本的に、打ってしまう自分がいます。
> 以前にも質問しましたが、カットマンに憧れていて、
> でも、この年から始めるには、無理があることもOBUさんから、
> 教えていただきました。
> 自分の理想とはかけ離れた、攻撃型の卓球に偏ってしまっているのです。
(中略)
> 何か、アドバイスがいただけたらうれしいです。
> 長くだらだらとなってすみません。
> よろしくお願いします。
卓球をやり始めた頃に、攻撃的な練習に偏っていて、それを身体が覚えて
しまい、自分の理想の卓球とギャップがあるのだが、
どうすれば良いのだろうか?というご質問ですね。(^^;;
ご質問を読んでいて、私が高校生の時に読んだ卓球の解説書を
思い出しました。故荻村伊知朗氏が書いた卓球理論の本です。
荻村伊知朗氏は卓球ニッポンの礎を築いた人で、高校生から卓球を始めて
世界チャンピオンに2度なっている伝説の人です。(^^)v
その中には「必勝の極と不敗の極」について書かれていました。
「卓球には(北極と南極のような)2つの極があり、
一流の卓球選手になるには、そのどちらかを突き詰めることだ。
必勝の極とは全てのラリーを自分のスマッシュで終ること。
不敗の極とは相手にたとえどんなボールを打たれても、
相手より1本多くボールを返すこと。
理想を言えば、ラリー中に2つの極を瞬時に移動するのが良い。
必勝、不敗のどちらの極にも属さない中途半端な状態が一番良くない」
記憶が曖昧ですが、確か上記の様な内容だったと思います。(^^;;
荻村伊知朗氏は必勝の極を極めようとして、速くサービスを出し、
速く相手に返球させ、それをさらに速くスマッシュで決める卓球を
目指したそうです。
その過程の中で、あの有名な「51%理論」が生まれました。
「全てのラリーが自分のスマッシュで終わるのであれば、
そのスマッシュの入る確率が51%以上であるのであれば
積極的に打つべきだ」
本当に「極端」な考え方ですよね。(^^;;
その理論には続きがありまして、
「そのためにはローカルの試合の1本目であろうと、
世界選手権の決勝のマッチポイントであろうと、
決して揺るがない、全くブレない精神力が必要だ」
当時は私は高校生でピュアな気持ちを持っていました(笑)ので、
非常にこの考え方に影響を受けました。
「よし自分はカットマンとして不敗の極を目指そう。
攻撃は一撃必殺のスマッシュを覚えよう」
と心に決めました。
腰を入れて打つスマッシュを練習し、打球が相手の腿に当たると
青いあざが出来るほどでした。
高校の時は芽が出ませんでしたが、大学に入ってから花が開きました。
徹底的に粘り、一撃で決める。武器は体力と精神力。
そんな卓球でした。
高校生の時は市内大会の1回戦で負けていましたが、大学の時には、
元インターハイ選手に二人勝つことが出来ました。
荻村伊知朗氏のレベルには遥か及びもつきませんが、そんな体験を通じて、
なるほどこの理論の方向性は正しいのだろうと今になって思います。(^^)v
・・・・・
前置きが長すぎましたね。(笑)
私が言いたかったのは「攻撃一辺倒の卓球もそれはそれでアリ」では
ないか、と言うことです。
問題なのは、その自分の卓球を否定的に見ているところでしょうか。
自分の理想とする卓球と違う、と。
「卓球は全人格的な戦いだ」とは故田舛彦介氏(株式会社タマスの創業者)の
言葉ですが、これはよく言ったもので、卓球の基本を押さえた上での話ですが
最終的にはその人の個性が卓球に出て、それで勝負することになります。
卓球のプレーにはその人が持っているあらゆるものが出る、という考えです。
これには私も全く同感です。
しかし、そうは言うもののレシーブが全く出来ないのは問題です。
とても地味な練習ですが、まずはレシーブ練習することをお勧めします。(^^)
パートナーに同じサーブを繰り返し出してもらい、以下を行ないます。
1.安全に返す。(浮いてもOK。とにかく相手コートに返球する)
2.低く返す。(相手に強打されないレベルに)
3.少し攻撃的に返す。(相手がようやく繋いで返してくるくらいに)
4.攻撃的に返す。(フリック、ストップ、流し打ちなど)
1.が出来たら2.に進み、2.が出来たら3.に進むという具合に、
段階を追って進めるのが良いでしょう。
合格レベルには数値的な目標を立てるといいでしょう。
例えば、10本連続で返球出来たら合格とか。80%の確率で入ったら合格とか。
卓球には「攻撃する楽しさ」の他に「受ける楽しさ」もあります。
相手が打ってくるボールを綺麗に返球するのはとても楽しいことなのでス。
攻撃一辺倒なのは、卓球の楽しさを半分しか知らないことにもなるのです。
奥が深いのですね、卓球って! (#^o^#)/
レシーブ技術の詳しい解説はコチラ↓
http://rs39.net/c/tt/cpsr_4/bl/