自分に合った練習方法とは?

技術


今号も読者さんより質問を受けましたので、
それにご回答する形にしたいと思います。

■ご質問内容

私は学生時代に卓球部というものに所属したことがないので
「フットワークを駆使してコンパクトなスイングで打つ」
というような土台となる基礎が確立出来ていないという
自覚があるので、教室ではもっぱらそういう練習をしています。

でも、練習では出来ても、ゲームとなると、すべて忘れてしまい、
焦って無理な態勢から強打に出て自滅という事が多く、戦型は
と聞かれると「前陣速攻自滅型」と答えるほどです。

身体が大きくないので前陣に居ることが多いのですが、
もう少し下がってどう打つか考える時間を作って打つ練習なんて、
効果有るでしょうか?

ご質問、ありがとうございます。
今回のご質問のメールは色々なことを含んでいると思いました。
ですので、せっかくですので気づいた点を1つ1つ丁寧に扱いたいと
思いました。長くなりますが、お付き合いください。(^^;
全部で5点あります。

まず1つ目。教室で取り組んでいる練習。
> 「フットワークを駆使してコンパクトなスイングで打つ」
> 教室ではもっぱらそういう練習をしています。

これは、とても良いことだと思います。(^^)
社会人になってから本格的に卓球を始められたのですね!
卓球はこの様な基本練習を飽きるほどやることが大切です。

将来昔から卓球をやっていた人に勝つためにも、またお世話になった人に
「見違えるほど上手になったね!」と言われるためにも努力しましょうね!
正しい努力は必ず実を結びますので、頑張りましょう。(#^^#)

それと、日々の練習の中で是非意識して頂きたいことがあります。

それは「自分の打点(ポイント)の確立」です。

例えばショート打ち(相手にショートしてもらって自分はフォアで打つ)の
練習をする時を想像してください。

ワンコースでやれば「あたかも同じボールを打っている」様に思いますが、
実は1球1球ビミョーに違います。

そのビミョーな違いに対応し、100%にストライクにして打つのです。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

これが自分の打点(ポイント)を確立する練習です。

・バウンドのどこを捉えるのか
・ボールのどこを捉えるのか
・身体のどこで捉えるのか
・擦って打つのか弾いて打つのかあるいはその中間か
・腕の振りはどう(イメージ通り)か
・力加減はどうか
・身体の回転はどうか(身体全体が十分に使えているか)
・力が入り過ぎていないか
・足の蹴りはこれで十分か
・ラケットのスイートスポット(芯)に当たっているか
・自分が打ったボールは相手コートの狙ったところに入っているか
・戻りはどうか
・予想外のコースへ飛んで来ても準備が出来ているか
・・・・・etc

細分化すれば、沢山のチェック項目が出てきます。

全部いっぺんには無理ですが、それでもこれを意識するかしないかで、
3年後、5年後の伸びが全然違ってきます。

そのためにも

「動体視力とボールがラケットに当たる感覚を磨くこと」

です。(^^)v

2つ目。練習で出来ることが試合で出来ない。
> でも、練習では出来ても、ゲームとなると、すべて忘れてしまい、
> 焦って無理な態勢から強打に出て自滅という事が多く、

練習で出来ていたはずなのに、試合になると何故か出来ない。
これは多くの方が経験することです。特別なことではありません。

なぜ試合で力を発揮できないのでしょうか?

それは練習が「練習のための練習」になっていて「試合のための練習」に
なっていないからだと思います。厳しい事を言いますが、試合ほどの
緊張感を持って練習に臨んでいないのではないでしょうか。

針の穴を通すくらいのコントロールを身につけるのだ、
それくらいの集中力と緊張感を持って練習に入りたいものです。

とは言うものの、試合はやはり練習とは違います。
私は35年も卓球をやり続けていますが、試合は未だに緊張します。(^^;;
練習で上手く行っていたことが試合で全然出来ないで終ることもあります。

ですので、「試合慣れ」することも大切です。

試合では普段考えないことも沢山考えます。
感情の起伏も普段の練習では味わえないほど大きいものです。
でも、だからこそ試合は楽しいと言えると思います。(#^^#)

卓球の試合では、時には感情を一切排して機械の様にプレーすることも
必要です。(なんだかゴルゴ13みたいですね、笑)

左脳(理性)的に冷静、試合を進めなくてはなりません。
一方で、右脳(感情、イメージ)的をフル活動させるシーンもあります。

自滅しそうになる自分にブレーキをかけることも大切ですね!

3つ目。自分を見つめる目。
> 戦型はと聞かれると
> 「前陣速攻自滅型」と答えるほどです。

はははっ!ユーモアのセンスがありますね!(^^)

自分をそうやって、離れた所から見る目は、意外に大切ですよね。(^^;
それが出来ない人は深刻になっちゃいますし。
笑い飛ばす明るさ、ユーモアが危機を乗り切る原動力になります。

是非、試合や人生で苦境に立った時も、
「なーに、これからサ!」と明るく立ち向かってください。(^^)

4つ目。卓球のデザイン。
> 身体が大きくないので前陣に居ることが多いのですが、

自分の卓球をデザインする時に、どう考えるか。
まず戦型を決める時に何を持って決めるかと言うことですが、
身体的な特徴と精神的な特徴があると私は思います。

後者は難しく言っていますが、
要は「どんな卓球に憧れるか」ということです。(^^)

やはり、どうせ卓球をやるのならば、自分がやりたい卓球を
目指すべきですよね!(^^)

でも、その中で身体の特徴も考えなくてはなりません。

身体が大きくないので前陣に居るのは、大正解だと思います。
台から離れて大きく打ちあう卓球もいいですが、身体が大きい人の方が
有利です。ならば自分が有利なポジションで戦う方がいいですよね。

丹羽孝希選手がいい例です。
身体は大きくないですが、超ウルトラ速攻で大男をきりきり舞い
させています。彼は台から下がっても打ちあえる技術もありますが。

5つ目。ご質問に対する回答。(お待たせしました!)
> もう少し下がってどう打つか考える時間を作って打つ練習なんて、
> 効果有るでしょうか?

自分がどういう戦型を目指すかに寄ります。

丹羽選手の様な速攻選手を目指すのならば、あまり下がって打つ練習は
オススメしません。あくまで今の位置でボールを判断する訓練をすべきでは
ないでしょうか。

前陣にいて短時間で処理するということは、相手にも時間を与えないことに
繋がると思うのです。ですから理想を言えば、今の位置で。

少し下がってボールをしっかり見極めた上で打つ練習をするのも悪くは
ないと思います。(矛盾するようですが)
その上でその判断を前陣でも出来るように、さらに訓練すると。

ただ、下がってボールを打つ練習をやり過ぎると速攻選手には
弊害が出てくるように私は思います。

以上から回答としましては
「効果はある程度期待できるが、速攻選手を目指すならやり過ぎないこと」
になります。

是非、練習頑張ってください。(^^)d

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