「対話力」=「雰囲気を読む力」
久しぶりに全日本選手権を観戦しているのですが、
5年ほど前と比べて全体的にレベルアップしている
ように感じます。
レベルの高い選手同士で試合をしていますとラリーが
やはり多く繋がり見ごたえのある試合になります。
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ここでのレベルは果たして、ドライブが早い、回転が
かかっている、コースが良い、等々の基本技術の質が高い
ことを指すだけではありません。
確かに、トップ選手の基本技術は言うまでもありませが、
試合において一番必要な力は相手との対話力です。
対話力とは相手の考えていることを読み、それに対応して
返球する力や、逆に自分の考えていることを相手に
読まれないようにする力です。
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試合で、個々の自分の技術をいかに発揮できるかは
対話力にかかっています。
トップ選手が対話力に優れているのが良くわかるシーンとして、
試合前の練習にあります。皆様は全日本選手権の決勝戦等を
テレビでやっているのを観た事がありますか。
もし観たことが無い方は、YouTube等の試合動画で、
試合前の練習が映っている動画を観てみて下さい。
その際に注目して頂きたいのは、試合の内容ではありません。
注目すべき点は試合前のフォアクロス、バッククロス、
での練習です。
練習をする際に、最初はフォアクロスでフォア打ちをします。
その後、片方の選手Aさんはフォアドライブを打ち、
もう片方の選手Bさんはブロックをします。
それが、少したったら自然にBさんがドライブでAさんが
ブロックに変わります。それをバックサイドでも
同じ事をやります。
上記の事は一見自然な流れなのですが、これには今日の
メイントピックでもある「雰囲気を読む」という
キーワードが含まれています。
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「対話力」=「雰囲気を読む」ということは、
言葉ではなく相手の顔色、しぐさ等々から
その人の考えていることを読み取る事を言います。
その雰囲気が読み取れているからこそ、練習時に
言葉で「ドライブ打ちます」、「ブロックします」
等々言わなくても自然に、
「相手はドライブを打ちたいからここは相手に打たせてあげよう」
「相手が疲れてブロックの体勢に入ったから次は自分が
ドライブを打とう」等、雰囲気を読みながら相手に
合わせながら阿吽の呼吸で練習が出来ます。
もちろん試合中は、相手がドライブを打ちたがっているから
と言って、そこにボールを送ってはいけませんが、
逆を言うと相手が打ちたがっているという事がわかれば、
遅いボールを送ったり、違うコースに打ったりすることが出来ます。
このように常に雰囲気を読んで相手の打つコース、タイミング、
回転量等を読みあいながら試合が出来るのがトップ選手です。
ラリーが続いているということは、それらの読みがお互いに
当たっているということで、逆にラリーが途切れた瞬間に、
片方の選手がそれらの読みを外した瞬間でもあります。
是非、皆さんも常に練習の時から相手の雰囲気を読み、
試合で活かせるようにしてください。