長所伸展について
こんにちは!
いつも読んで下さってありがとうございます。
先日の号で、
> それよりも、その選手が伸び伸びプレーした方が、
> その子の個性が出て良い結果に結びつくことがあるのです。
> ※これについての私の体験談は、別の機会にお話します。(#^^#)
とお話しました。
長男の桃太郎が中学生の時の話です。
桃太郎の通う中学は普通の公立中学ですが、顧問のH先生が卓球に
熱心で、外部コーチとしてNさんと私が指導に入っていました。
Nコーチは選手としても強かったのですが、コーチ暦も長く、
子供に卓球を教えるのが大変上手な人でした。
Nコーチが卓球部全体とレギュラー選手の指導をして、
私は補佐として練習相手になったり、レギュラー以外の
選手の指導をしていました。
この役割分担は、上手く機能して、チーム全体としては
非常に強い卓球部に育て上げることが出来ました。
桃太郎の同じ学年にK君という選手がいました。
K君は、Nコーチの息子のR君と共に、2枚看板的存在でした。
K君とR君は、部活動以外でもスポーツ少年団などで
Nコーチが指導していましたから、Nコーチの秘蔵っ子でした。
K君は中学に上がる少し前から卓球を始めました。
しかしNコーチの熱心な指導の下、めきめきと力を付けて行きました。
戦型はシェークのドライブマンで、フットワークを生かして
がんがんドライブを掛けるタイプの選手でした。
速いフットワーク、ドライブの回転量、気力を前面に出す、
積極的に攻める姿勢。これらがK君の長所でした。
いつもK君のベンチコーチ入るNコーチがたまたま不在で、
私が代わりに入ったことがあります。
ここで私は失敗をしてしまいます。
いつも他の選手にやる様に、相手の攻撃パターンや
弱点などを挙げて、その対処法をアドバイスしたのです。
ところがK君はポカンとした表情で聞いていましたし(笑)、
次のゲームのプレーもいまいち冴えませんでした。
これは私のアドバイスが悪かったのです(と、後で気付きました)。
K君は勉強が苦手のタイプでした。
あれこれ相手のことを考えたり、作戦を立てたりするよりも、
あまり深く考えず、自分の卓球を貫いた方が彼の良さが出るのです。
そのことに気付いてからは、
「ドライブをどんどん掛けていけ!」とか
「レシーブから積極的に行け!」とか
「今日も絶好調だぞ!」と、
K君自身のことや、K君を勢いに乗せる内容に変えました。(^^;;
その点、NコーチはK君の扱いが上手かったです。
選手の気持ちや性格をよく分かっていたのだと思います。
その後、K君は大活躍をします。
団体戦ではよくトップに起用され、相手が誰だろうと積極的に
向かっていく姿勢は、チームの士気を盛り上げました。(^o^)/
これがもしK君を私の指導の枠に閉じ込めていたら、
彼の良さはこれほどまでに活かされなかっただろうと思います。
ただ、K君のプレーの欠点は、単純なだけに相手に読まれ、
対策を立てられる可能性があることなのです。
勢いだけでは勝てない場面もあるのですね。(^^;
一度だけ、K君に対するNコーチの絶妙のアドバイスがありました。
私は観覧席にいたので、何を言ったかは残念ながら聞こえませんでした。
次のゲームで、一球だけ、K君はそれまでとは違うプレーをしたのです。
それが相手の迷いを引き出す結果となり、K君の積極性がますます
発揮され、強い相手に勝つことが出来たのです。
長所伸展。
K君に関わる一連のことは、この言葉を深く考えさせられる、
私の貴重な体験となりました。
ちなみにK君は高校を卒業後、ある企業に就職し、
今でも元気に卓球をやっています。
元コーチとしては、嬉しい限りです。(*^^*)