湿気が多い日の練習

OBUコーチ

その日は昼間に雨が降り、雨は止んだものの練習開始時間の18:00頃は、かなり湿気が多かったように思います。

ある程度の覚悟はしていたものの、やはりいつもと打球感覚が違っていました。

ここまで感覚が狂うと、上手く行かないことに目が行きがちでしたが、意外なプラスの面も見つけることが出来ました。

今までにない体験をしたので、皆さんとシェアしたいと思いました。

上手く行かない点

これは皆さんも経験があると思いますが、ラバーの引っ掛かりが悪いということです。
もう、これに尽きますね。

例えば、ドライブを掛けると、いつもよりラバーの引っ掛かりが悪く、表面をボールが滑る感じがします。

回転を掛ける技術全般に言えるので、カットもこれと同様です。

思う様な回転が掛けられないので、いつも通りの回転を掛けようと焦ります。
結果的に力んでしまい、ミスが出ます。

こういう時は、焦りは禁物で、「いつもより回転は掛からないものだ」と自覚してミスをなくすよう心掛けます。

感覚にデリケートな人ほど、違和感を感じると思いますが、そういうものだと受け入れるしかないです。

ついつい自分の事だけに意識が行きがちなのですが、条件は他の人も等しく同じです。

意外に上手く行った点

その日は、チーム内の表ソフトの攻撃型の選手に私のカットを打ってもらいました。

普通の晴れた日でも表ソフトのカット打ちのボールは、回転が掛かっている・いないの判別が難しいのですが、この日はさらに輪をかけて判断に苦労しました。

相手のフォームとボールの軌道からドライブ回転が掛かっていると判断して、カットのスイングをしてネットミスが多かったです。

そうかと思うと予想外に回転が掛かっていてカットのオーバーミスが出ます。

もう訳が分からなくて、頭の中の整理、つまり場合分けが出来なくなりました。

ところが、私のカットの回転も相手にとって訳が分からなかった様なのです。

私はいつも通りカットをして、特に変化をつけているわけではないのですが、相手は予想に反して回転が掛かっていたり、その逆で回転が掛かっていないと感じていた様です。

ずっと練習している相手ですので、お互いの球質には慣れているのですが、二人とも「いつもと違う!」と首をかしげているのです(笑)。

分析すると、おそらくこういうことだと思います。

二人の技量がいつもと変わらないと仮定して、いつもと同じスイングをしているとします。

ある時は湿気の影響でラバーの上をボールが滑り、回転が掛からず、またある時はたまたま湿気の影響を受けずに回転が掛かった、と。

全く同じスイングで違う種類の回転のボールが出せるとは「究極のフェイント」と言って良いと思います。

やり慣れている者同士だからこそ、起きる現象だと思います。

・・・・・

さて、もう一つ上手く行った点があります。

チームメイトにパワードライブを打つ選手がいて、いつもはその威力に押されっ放しで、カットもオーバーミスを連発していました。

ところがこの日に限って、よくカットがコート内に収まってくれるのでした。

考えてみれば当たり前の現象です。

湿気の影響により彼のドライブは回転量が落ちていて、こちらも湿気の影響でラバーの表面が滑り回転の影響を受けにくくなっていたからです。

そのからくりに気付いてから、思った通りにボールコントロールが出来る様になり、ゲーム練習で彼と良い勝負が出来ました。

相手の回転の影響を受けることを抑え、こちらは回転の変化とコースで攻める。

カットマンとして理想的な戦い方が、実力上位の相手に対して意外な形で実現出来たのです。

湿気が多い日に心掛けること

天候は私たちがコントロールできるものではありません。
だとしたら、いち早く順応し、これを上手く利用出来た方が有利です。

特に試合会場に向かったら雨天だったという場面などは、気持ちの切り替えが大切です。

「今日は雨か。感覚が狂って嫌だな」

と思うのか、

「お、雨か。天が俺に味方しているな。これを利用してミラクルショットを決めてやるぜ」

と思うのかによって結果は全然違うはずです。

「これがよい」と全てを受け入れる、楽天的なおおらかさが、功を奏します。
ナーバスになり過ぎない方が良い結果に結び付きやすいはずです。

また、自分も調子がおかしくなるが、相手も同じように調子がおかしくなるものだと自覚しておくことも大切です。

これは、番狂わせのチャンスです。

おまけ

備忘録的に気付いた点も挙げておきます。

私の使っているラバーは、フォアとバックの両面共にディグニクス09Cです。

テンション系と言われるラバー群の中でも、表面が粘着系で回転がよく掛かります。

私は練習前には必ず感覚を確かめるために、ボール突きを行います。

この日のボール突きの感覚は衝撃的でした。
ベタン、べタンという感じで、いつもより全然弾んでくれないのです。

こんなことがあるのか?と驚きました。

また、ついにラバーに寿命が来たのか!とも思いました。

テンション系ラバーを使う前に私が仕入れていた情報は以下です。

使い始めは、ボールがよく引っ掛かり打球が暴れる感じがするが、数回練習すると暴れは治まり安定した打球感がずっと続く。
ラバーの寿命は、テナジー・ディグニクスクラスになると長い。

この情報に反して、もう寿命が来てしまったのかと悲しくなると同時に、掛けた金額の事が頭をよぎりました。また懐が寒くなるなと。

私はラケットケースにタンス用の乾燥剤を常に入れており、ラケット・ラバーが湿気を吸わない様に気を付けています。

それになのに、この弾み具合です。うーむ。

数日後、今度は晴れた日に感覚を確かめてみると元の弾みに戻っていたのです。
寿命が来たと思うのは私の杞憂だったのです。

まだ経験値は浅いのですが、どうも、そういうことらしいです。

つまり、湿気が多い日にはディグニクス09Cは極端に弾みが悪くなる。

まだ私の中での仮説に過ぎませんが、経験値を積んで真偽をこの手で確かめたいと思っています。

おっと、答えを知っていても言わないでね。

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