緻密なサーブ練習 その2
大切な試合の前に、今度はMさんと一緒に個別の練習をしました。
チームの練習の時間帯に、私とMさんは、共に別の用事が入っていたからです。
Mさんの卓球の実力は、全国レベルです。
当然、私よりも数段上で、毎回練習させてもらうたびに、その実力差を痛感します。(^^;;
実力にこれだけ差があると、実力上位のMさんから見れば、私の卓球の改善点がはっきりと見えます。
それは、例えば、私の様な40年以上の卓球経験者が初級者を見た時に、
「ここを直せば、もっと良くなる」
とはっきり分かるのと同じ事だと思います。
約2時間弱の練習時間の間に、彼から色々なアドバイスをもらいました。
折角ですので、皆さんにもシェアします。
【3球目攻撃の設計があってこそ】
練習は多岐に渡ったので、アドバイスも色々もらいました。
その中で、私が皆さんに最もお伝えしたいことは、3球目攻撃の設計の大切さと、そのために行うサーブ練習です。
得意のサーブを磨くのは良いのですが、何のために磨くのかをはっきりさせるべきです。
何のために?
それは3球目攻撃に結び付けるため、です。
私は、その認識がまだまだ甘かったのです。
自分ではやっているつもりだったのですが、まだ未熟であることを思い知らされました。
【Mさんとの練習にて】
私の3球目攻撃の設計に、
・相手のフォア側にハーフロングサーブ
・相手がツッツキでレシーブ
・3球目フォアドライブ
というパターンがあります。
ハーフロングサーブというのは、ちょうど2バウンドで台から出るか出ないかくらいの長さのサーブのことです。
こういうサーブを出せば、相手がレシーブでドライブを掛けるかどうか迷うはずだから、甘いレシーブが来て次を攻撃できるだろう。
私はそう考えたのでした。
基本的な考え方は間違っていないのですが、実際にMさんに試してみると・・・、全く通用しないのです。
まず、Mさんは台から出るか出ないかの判断が早く、台から出るボールはレシーブから強ドライブしてきました。
これがとても威力があり、私はほとんど返球出来ませんでした。
次に、確実に2バウンドするサーブを出したのですが、今度は鋭いツッツキやフリックで押し込まれ、3球目が打てませんでした。
Mさんはレシーブに全く迷いがないのです。
私としては、もう少し相手に迷いながらレシーブをさせて、自分の3球目攻撃に結び付けたいのです。
そこで私はMさんに聞きました。
「もう少し、フォアコーナー(台の角)を相手に意識させてレシーブ力を弱めるにはどうすれば良いだろう?」
「例えば、クロスを切って出すとか?」
Mさんの答えは、こうでした。
「それだったら、2バウンド目にちょうどフォアコーナーに来るようにすれば良い。この方が判断に迷う」
・・・2バウンド目をコントロールする??
こんなことは今まで意識したことがありませんでした。
しかし、本当にここにギリギリに出せれば、台の角にぶつける恐怖心が先に立って、レシーバーは相当迷うはずです。
さらに、Mさんは、
「練習では3バウンドするくらい短く出しておいてちょうど良いよ。試合では緊張して どうしてもサーブが長くなるから」
と、経験の豊富さを思わせるアドバイスも付け加えてくれました。
【3球目の待ち方】
アドバイスをされたからと言って、すぐに出来るようになったわけではないのですが、それでも意識することで少しずつ近づいて参りました。
確率は低いけれども、良い線行っている、サーブが出せるようになってきました。
Mさんのアドバイスは続きます。
「相手のレシーブの体勢を見て、3球目の準備をしなくちゃいけない。
相手がバックスイングを取れば、まずドライブだから、こっちはブロックだ。
バックスイングを取らなければ、ツッツキやフリックだから、今度は打つ体勢で待つんだ」
もっともっと判断を早くしろ、ということだと解釈しました。
身体を動かすと相手に察知されますので、スタートはギリギリまで遅らせて、心の準備の方を万端にしておくのです。
【緻密なサーブ練習】
Mさんとの個別練習の翌日、一人でサーブ練習を2時間ほど行いました。
2バウンド目をフォアコーナーに持って行くコントロールを磨くためです。
ギリギリで台から出す、逆にギリギリで台から出さない。
もし、このコントロールを身に付けることが出来たら、相手にレシーブを強制させて、3球目攻撃の成功確率がぐっと上がります。
相手に甘いレシーブを返させて先に攻める、逆に相手にわざと打たせて後の先を取る、これらが自在に出来るようになるはずです。
目的があって手段がある。
当り前と言えばそれまでですが、Mさんとの練習でそのことを強く再認識しました。