変革の時
あなたは自分の卓球をどう考えていますか。
いきなりこんな不躾な質問をしてしまい、ごめんなさい。<(_ _)>
現時点でやっているあなたの卓球は、これ以上やりようがないほど、磨き抜かれた完成品でしょうか?
そう聞かれると、殆どの人は、
「いや~まだ未完成だとは思うけどねぇ、ごにょごにょ・・」
という回答だと思われます(笑)。
ごにょごにょ・・というのは、何かを言いながらお茶を濁す様子を表現しています。
分かっちゃいるけど出来ないんだよね、とかそもそもどうやっていけば良いか分からないなど、色々当てはまりそうです。
はっきり認めましょう。
皆さん(もちろん私も含めて)の卓球は、発展途上です。
ですから、ご自身の卓球をどんどん変革して行きましょう。
【今こそ変革の時】
私は自分の卓球を変える絶好のチャンスだと思っています。それは今だ、と。
2年ほど前から攻撃型カットマンに変身するべく、取り組んで来ました。
きっかけは、さらにそこから数年遡り、大阪に全日本選手権を観に行ったことでした。
従来のカットを引いてから攻撃に転じるカットマンの戦い方では、相当厳しいという現実を目の当たりにしました。
特に粒高面を狙われて強打されていました。
その大会ではカットマンで唯一、両面裏ソフトの英田選手がランク決定戦に残っていました。
その時は惜しくも敗れてしまいましたが、数年後に英田選手はベスト8入りします。
女子では佐藤瞳選手や橋本帆乃香選手に代表されるようにカットを引いて、そこから反撃に転ずるやり方でも成功できます。
しかし男子ではそのやり方では厳しいと肌で感じました。
それからの私は、試行錯誤が続きました。
オール3球目攻撃を試みた時もありました。
攻撃型の用具に変えた時期もありました。
どれもダメでした。
そして辿り着いたのが、今私が挑戦しているスタイルです。
用具は、英田選手が使っているものと同じものに落ち着きつつあります。
政宗というラケットに、フォア面がラクザZのエクストラハード、バック面が翔龍という組合せです。
これは攻撃もカットも出来ます。
両面裏ソフトの攻撃型カットマンには使い易い用具だと思います。
戦術的には、カットに頼る戦い方を一旦捨てました。と言いましても、カットはやはり使います。
そうではなくて、全ての技術を得点するためのものと位置付け、再構築する感じです。
カットもそのための一つの手段だと。
サーブを徹底的に磨いて、積極的に攻撃を採り入れ、効率的に点を稼ぐことを主目的にします。
1つ1つの技術もそうですが、試合での戦い方についても試行錯誤中なので、なにかを掴んだら、また報告しますね。
【変革の機運を感じよう】
よし自分の卓球を変えよう!と思うのは、どんな時だろうかと考えました。
皆さんも日常的に感じていることかも知れませんが、私は3つあると思います。
1つは、このままではダメだと言う危機感、です。
私の場合は、これに当てはまります。
よく目にするのが、ベテランの選手で、ペンホルダーを使っていた方が、裏面にラバーを貼ったり、シェークに転向したりすることです。
これはバックサイドの攻撃力を強化しようという狙いに他なりません。
2つ目は、情勢の変化、です。
11本制になって長いですが、短期決戦の考え方で戦わないと苦しくなる一方です。
プラスチックボールになって、ますますボールの回転とスピードが早く減衰するようになりました。
これらにより、前中陣で打ち合う卓球が主流になりました。
3つ目は、用具の発達、です。
テナジーやディグニクスに代表される、高弾性・高摩擦のラバー(値段も高額!)が主流となりました。
新しい製品もメーカーから続々と発表されています。
ラケットとの組合せも無数にあり、技術レベルに応じた用具の選択が非常に難しくなりました。
同じスイングで威力が出るのならば、弾む用具の選択が有利です。
しかし、卓球は攻めと守りのバランスが大切ですので、あくまで使いこなせるのが条件となってきます。
試しに使ってみるには、ラケットもラバーも高額過ぎるので、選手としては悩ましいところです。
これら3つの機運を感じ取って、ご自身の卓球を変革して参りましょう。
【あなたの卓球の変革を】
卓球を変革するには勇気と決心が必要です。
一般的に言われるからとか、皆がやっているからなどという理由ではなく、可能ならば、主体的で積極的な理由で始めたいところです。
そういう意味では、今までのやり方を変えないという選択もアリだと私は思います。
せっかくシェークハンドに転向したのに、あまりバックハンドを振らずに、従来のプレーをするのならば意味がありません。
何のためにやるのか、どういう卓球を目指すのかをしっかり考えた上で、用具を変えて行くべきです。
また、目標をどこに定めるのかで、大きく変わって来る気がしています。
現在よく出場する試合で好成績を収めることを目指すのか、もう一段上のレベルの試合で勝つことを目指すのか。
全国大会に出場した時に、色々な選手のプレーを観ました。中には、一昔前のプレーをする選手もいました。
その選手は、上手く攻められた時は確かに苦戦していましたが、そのクラスでは充分戦えていたし勝ち上がっていました。
逆に自分の卓球の構造的な弱点を知り、その対策もしっかり練習してきているという印象を受けました。
「こういう形の選択もあるのだな。さて自分はどうしようか?」
と考えるきっかけになりましたし、大変勉強になりました。
選択に良いも悪いもありません。私は、全ては自分で決めることだと思うのです。