試合前のメンタルの作り方と注意点
いつも読んで下さってありがとうございます。
自分は毎回メルマガを書くときに、どちらかと言うと
前向きな事を書いていますが、今日は趣向が違います。
こんな私も、苦い思い出があるのです。
自分は20代の後半の頃、初めて東海選手権に出場しました。
実は静岡県予選の時、絶好調だった私はノーシードから
勝ち上がり準優勝したのです。
ところが静岡市内で行われた本戦で、緒戦敗退してしまいました。
雰囲気に飲まれてしまって、全く実力を発揮できませんでした。
せっかく予選を好成績で勝ち上がり、シードされていたにも
関わらず、とてももったいないことをしてしまいました。
実はその日の朝、当時はまだ健在だった父が、私の試合を観戦に
来ると言うことで、静岡駅まで迎えに行っていたのでした。
ところがハプニングがあり予定の新幹線に乗り遅れたため、
静岡到着が遅くなってしまったのです。
しかもその新幹線もトラブルがあり、到着予定時刻を大幅に
過ぎて静岡に着いたのです。
私は焦る気持ちが募るばかりでした。
当時は携帯電話もなく、連絡の取りようがありませんでした。
静岡は不案内の父を出迎えないわけにもいかず、
時間ばかりが過ぎて行きました。
私は試合の前には必ず早めに会場入りをして、
可能な限り前日や当日の朝にその会場で練習をして
試合に向けて準備をするのが習慣でした。
しかしこの時は、全くそれが出来ず、
父を伴って会場入りしたのが、開会式が終る直前でした。
そこから慌てて、シャドープレーをしたり軽くランニングを
したりして心の準備をしましたが「時すでに遅し」でした。
「最初は調子が出ないかも知れないが、試合が始まれば
徐々に慣れて調子も出てくるだろう」
そんな甘い気持ちもどこかにあったかと思います。
相手は強豪愛知県の実業団の若い選手でした。
試合が始まると、相手のサーブからの3球目が全く取れず、
私は凡ミスを繰り返し、あっさり敗退してしまいました。
父の前で頑張っている姿を見せたいと思っていたのですが、
最後まで集中した良いプレーが出来ず終わってしまいました。
「父が時間通りに静岡に来ていてくれれば、
こんな事もなかったのに」
と父を恨んだり、自分の不運を嘆く気持ちもありました。
しかし、その段取りを組んだのは自分でした。
元々のスケジュールの組み方に無理があったのです。
それに観客(この場合は父)の目を意識してプレーすることは、
「スタンドプレー」と言い、スポーツマンとして厳に慎まなく
てはならない行動なのです。
周囲の応援や期待する気持ちは背中に受ける様にして、
自分はただただ試合に集中すれば良いのです。
試合の振り返りや周囲への感謝は試合が終ってからでも
十分間に合うのですから。
全ての責任は私にあり、負けるべくして負けたのです。
父はビデオ撮影が趣味で、当日の一部始終をビデオに収めて
後日テープを送ってきてくれました。
今でもそのビデオテープは押入れの奥に保管してありますが、
そのビデオのタイトルを見るたびに、ちくちくと苦い思い出が
甦ってくるのです。(^^;;
・・・・・
なんのために試合会場に行くのか。
それは「試合をするため」です。
試合の他にも色々な「やるべきこと」が起こってきますが、
試合当日は極力それらを排除して試合に集中すべきだと思います。
私と同じ失敗をしないように、ネ! (^^;;
父も他界し、あれから20年以上が経ちました。
例のビデオは父からの最高のプレゼントだと今では思っています。
私は父から教わったのです。「油断するなよ」と。