試合中の思考について その1
こんにちは!
いつも読んで下さってありがとうございます。
読者さんから質問を受けましたので、回答します。
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こんにちは卓球を2、3年ほどやっている高校生です。
試合中に関する質問なのですが、私は考えてプレー
した方が良いに決まってることは分かるのですが、
何を考えてプレーすれば良いか分からず、
結局気付いたら無心でプレーをして、いつのまにか
負けていたりします。
私はレシーブが苦手なのですが、相手のサーブが
何回転なのかすら考えられなくてうまくいきません。
また、友達は相手の弱点を探ったり、相手の心情まで
分析したりしているのですが、やってみようとしても
全然分かりません。
また、試合後に友達はあのプレーがどうだった。といって
振り返っていますが、私は無心になってしまっていて、
自分も相手のプレーもよく覚えてないことが多いです。
どうすれば考える卓球ができるのでしょうか。
また、ボールを打つ瞬間にも考えたりするのでしょうか。
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色々、多岐に渡るご質問なので、
どこから回答しようか迷っています。(^^;
1.「何も考えずに無心にプレーする」ことについて
2.試合中に「何を考えるべき」か
1)自分について
2)相手について
3)孫子の兵法について
4)最低考えなくてはならないこと
3.長所伸展という考え方について
4.レシーブの回転の見分け方について
5.ラリーの間の思考と、打球する瞬間の思考
6.試合後の分析、反省
7.どうすれば「考える卓球」が出来るか
ご質問を受けて、上記の7つを回答として考えられたのですが、
長くなりますので、今号では1.~3.をご回答します。(#^^#)
1.「何も考えずに無心にプレーする」ことについて
これは局面によっては「良いこと」でもあり、
また違う局面においては「悪いこと」です。
団体戦でこの勝敗が勝負を決めるようなプレッシャーのかかった
試合では、あれこれ考えずに無心でプレーした方が良いです。
あれこれ考え過ぎて結局萎縮したプレーをしてしまうよりも、
無心で相手にぶつかる方が良い結果を残せるケースもあります。
但しそれは稀なケースで、通常は相手のこと、自分のことを
考えた方がいいです。
2.試合中に「何を考えるべき」か
1)自分について
試合の目的は何か。
それは練習の成果を試すことだと思います。
自分が練習でやった来たことがどこまで試合で通用するのか。
これを試す機会だということです。若い時に大きく伸びるためには、
ある意味、勝敗よりも「自分が目指す卓球がどこまでできるか」を
優先させた方が良い場合もあります。
自分の長所は何か。得意な3球目攻撃は何か。どういうサービスから
どういう展開を狙っているのか。「こうなれば自分は強い!」と
言える点はどういうところか。などを整理します。
逆に短所はどこか。レシーブが苦手であるならば、誰のどういう
サービスに対して苦手なのか。何故それが苦手なのか。
試合でその相手のサービスを受ける立場に立った時どうするのか。
2)相手について
対戦相手の特徴は何か。どんな用具を使っていて、何が得意か。
どんなことをされると苦戦していたか。
出足から飛ばしてくるタイプか、あるいはじっくりくるタイプか。
積極的に回り込んで攻めてくるのか、バックハンドを使うのか。
相手がやってくることが分かれば、対策の立てようもあるのです。(^^)v
3)孫子の兵法について
中国に古い戦略家に有名な孫子がいます。
「相手を知り、自分を知れば、百戦危うからず」
は有名な言葉ですが「相手のことをよく知り、その上で自分のことを
よく分かっていればどんな戦いも有利に進めることが出来る」という
意味です。
試合のコツは自分の長所を相手の短所にぶつけることです。
わざわざ自分の苦手な展開+相手の得意な土俵で戦う必要はありません。
何も考えずにたまたま勝てるかも知れませんが、試合は1日に何試合も
こなさなくてはならないことを考えると、自分の力を温存して勝てる
ことに越したことはないです。
格上の相手にもどこか必ず弱い点があるはずで、そこを中心に
勝負すれば、意外に良い勝負が出来ます。
4)最低考えなくてはならないこと
それは得点差(と試合の流れ)です。
今自分にサービスが回ってきた。この2本のサービスで仕掛けて、
最低でも1本、出来れば2本とも獲ってしまおう。・・・とか。
今5-5で相手のサービスだ。2本の内、最低1本獲って6-6にして
自分のサービス番にしたい。そのためにはこの1本目のレシーブが
重要だ。何とか先手を取りたい。・・・など。
必ず自分が2本リードになるように得点を重ねるわけです。
そうなると相手が挽回を焦って無理をして(結果、凡ミス)きたり、
勝ちが転がり込んでくることが多いです。
3.長所伸展という考え方について
何も考えずに無心でプレー出来るのは、ひょっとすると長所にも
なり得るのではないか、という考え方です。
どんな相手にも積極的に立ち向かい自分の卓球を貫き通すのには、
向いているかも知れません。それは良いことです。
但し相手にとっては「対策を立てやすい」「読み易い」相手という
ことになりかねません。
選手には、技術的な癖、精神的な癖、思考の癖があります。
癖(特徴)は、良い面と悪い面が表裏一体なのが事実です。
悪いところを直そうと一生懸命になる指導者がいますが、それでは
その選手の良いところを潰しかねない危険もあります。
それよりも、その選手が伸び伸びプレーした方が、その子の
個性が出て良い結果に結びつくことがあるのです。
※これについての私の体験談は、別の機会にお話します。(#^^#)
4.以降は次号でお話しますね。お楽しみに。(^^)