「こころ・ぎじゅつ・からだ・ちしき」
卓球はオフシーズンが無い競技ですが、やはり夏は特に試合の多い季節でもあります。
全中・インターハイ・インカレ等々学生の試合は目白押しです。
また、愛好者の皆様も特に夏は体育館が暑くて大変ですが、多く試合があると思います。
以前に試合での精神的な話をメールマガジンで書きましたが、今回は総合的に試合で勝つためには、少々選手思考的でストイックな考えですが、「こころ・ぎじゅつ・からだ・ちしき」が必要だということを書かせていただきます。
これらの事は良く高校のときに先生に言われましたが、やはりしっかりと理解できたのは大学の頃です。
愛好者の方々は、選手ではありませんし卓球をご職業にされているわけでもありません。
ですが、試合に出られている方はやはり負けるよりは勝った方が気持ちいいと思いますし、日々の練習の成果を確認すると言う意味合いでも、試合では一つでも多く勝てるといいですね。
日々、当店に来られている方々をご指導させていただいておりますと、卓球三昧で卓球のラケットを始めて握り、そして一年・二年練習をして初めて試合に出ますと言う方々も多くいらっしゃいます。
初めての状態から一年・二年練習されるとやはり、練習ではかなりの腕前になっていらっしゃいます。
しかし、試合に出ると一勝目はかなり遠いのも現実です。
「練習では自分の力を出せるのに試合では出せない」
「試合での出し方がわからない」
「練習の6割の力がでれば勝てた試合なのに、それすら出せずに勝てなかった」
等々、試合に出始めの皆様から良くお聞きするコメントです。
ここからが本題の心技体知、これら全てが整っていれば間違いなく今の皆様のレベルを遥か高く飛躍させることのできるキーワードです。
■心
試合の時の心の状態は弱気になりすぎていてもいけませんし、逆に強気になりすぎて興奮状態に陥ると力みに繋がるケースがあります。そのために、その場の戦況に一喜一憂しない平常心の状態が良いと思われます。
■技
試合の途中で技術が突如飛躍して1セット目に今まで練習では一回もできなかったチキータが突如、最終の土壇場の5セット目にできるようにはなりません。そのために、試合でできる技術は練習で培うしかありません。そのために、練習、練習ですね^^
■体
試合中に体の能力。いわゆる身体能力は重要です。力があれば切れたカットのボールも多少、力んだとしても持ち上がりますし、サーブやドライブの回転量そしてスピードも力があればあるほど増します。しかし、卓球は重量挙げのような重いものを上げる筋力よりは、瞬間的に体を動かさないといけない競技のために、軽いものを早く動かす筋力を鍛えましょう。
■知
試合中に同じ力量の選手が対戦したとします。その時に卓球は引き分けが無いために、どちらかに勝敗がつきます。技術は同じなのに、何度やっても勝てないケースがあります。その時の差は戦術の差です。
ここまでは、いわゆるどのスポーツでも言われている、「心技体」そして「戦術の知」だと思われます。
また、ここの「知」の部分で自分なりに考えますと、戦術を考えるために、頭を使う知ももちろんありますが、やはり物事を合理的に考える「知」が一番必要になると思われます。
学生ですと体もまだまだ若く、合理的に物事を考えられなくても、練習量が物を言い、練習すれば必然的に技術も上がりますし、試合でも必然的に勝てるようになります。
しかし、そこは20代迄の考え方でしょう。
今このメールマガジンをご購読していただいている方々は、多くの方が社会人の方々だと思います。そして、社会人から卓球を始められた方も多くいらっしゃると思います。
そのような方でも絶対に強くなると私は飛躍的に上手くなることができると考えています。
それは、社会人だからこそ、社会経験をしているからこそ、その経験値を卓球に流用すれば良いと考えております。
合理的に考えると上で書きましたが、物事を客観視できる能力、自分の現状を把握できる能力、どの程度一つのことに対して努力しなくては物事を成せないということを知っている能力、その場で一喜一憂せずに継続して努力できる能力、自分の目標を一つクリアしたら次の目標を見つけ更に高みを目指す能力、等々の能力が必要だと思われます。
少々、長々と書いてしまいましたが、簡単に書きますと、下記の通りになります。
現状を把握し問題を発見
↓
問題解決にある一定の時間を割いて努力する
↓
問題を解決したら更に次の問題を発見して、より良くなる努力をする
これらはまさに、仕事におけるプロセスと全く同じです。
私も仕事ができるわけではないので、偉そうなことは言えませんが、いわゆる仕事ができるといわれている方々は、どこか話をしていて的を射ているなと感じたり、物事を順序だてて説明のできたりする方が多いと思います。
そのような方は、卓球の練習の際にも合理性を追求して練習しているように思います。
また、決して社会的地位が高くなくても、物事を成すためのコツを知っている方がいます。
それは、学生時代に競技を問わず勝利至上主義の体育会で全国的にトップだった方、また凄まじい努力で一流の大学に入学した経験がある方です。
スポーツで超一流だった・一流の大学に入った、などという言葉はとても響きが良いですが、誰もができることではないと思われるかもしれません。
しかし、私は誰しもが成せるチャンスときっかけがあるのに、それのコツを知らないために、それを逃しているとも考えています。もちろん人生には運という要素は大分大きな要素を占めると思いますが。。。
社会人の皆様だからこそ、共感していただける自分の考える私の心技体知は下記の通りです。
●心
仕事ができるという方は日々の精神的なムラが少なく、多少の気持ちの起伏があっても常に落ち着いた心をもたれている方が多いように感じます。仕事も卓球も安定した精神状態が必要だと思います。
●技
仕事ができる方は、物事はある一定の時間努力しないと成らないということを知っているために、日々の成果に一喜一憂せずに、こつこつと努力するために技術の向上が早いケースが多いです。会社の仕事も、1年目より2年目、2年目よりも3年目の方が良くわかると思います。そして、1年目から2年目は2倍仕事を覚えられるかもしれませんが、3年目は1年目と比べると5倍ほど仕事を覚えられていると思います。継続すると、倍倍で仕事を覚えるのでなく、ある一定の節目からブレイクスルーし、時に二乗になることすらあると思います。
●体
良く成功者の方々の本を読むと、皆様共通して健康のことを書いているケースが多くあります。やはり健康的な体を維持してからこそ、全てがあると思います。そのために、自分の体を健康に保つために、自制心が強い方が多いと思います。
●知
知こそ、今までの社会経験で養ってきたものです。卓球も他のスポーツも、そしてビジネスも社会経験も実は同じような気がします。
全ては自分との戦いで、冷静に自分を分析して、良い部分悪い部分をしっかりと把握し、そして、それらを改善させるために、努力する。
そして、一つの目標がクリアできたら次の目標を設定し再び努力する。
私は仕事も趣味の卓球も、共に物事を成すためにある一定レベル以上の努力をするという意味では同じと考えています。
余談ですが私は2004年中盤から2007年までザンビアで卓球を教えていたときに、努力ということを教えるのに一番苦労しました。
日本語で「努力」英語で「effort」現地語のニャンジャ語で「。。。。。」努力と言う言葉自体が存在しません。
いわゆるその概念が無い人達になかなか教えることは難しいと実感した2年半でした。
戦後、ゼロから半世紀でここまで発展した国は世界で類をみません。
日本人こそ努力できる人種。
努力こそが日本人の美徳だと思っています。