超短期決戦の戦い方
最初に謝らなくてはなりませんね。(^^;;
前々回にオリンピック代表の3人目を予想したのですが、私の予想はことごとく外れました!
申し訳ございませんでした!<(_ _)>
本メルマガを書いているのは、2/18前後で世界選手権団体戦の最中です。
読者の皆さんにお読み頂ける時には、その後になるでしょう。
男子も女子も日本選手がどこまで行けるか。選手の皆さんの活躍に期待したいです。(^^)
超短期決戦の戦い方
先日、ローカルの卓球大会があり、なんと私はシングルスで優勝しました。
シングルスの優勝なんて本当に久しぶりで、前回いつだったか覚えていないくらいです。(いつだったかなぁ!)
こんなこともあるのだな、卓球を続けていて良かったなぁと素直にとても嬉しかったです。
実はこの大会は全て3ゲームマッチ、つまり2ゲーム先取した方が勝ち、という超短期決戦だったのです。
予選リーグ3試合、そして決勝トーナメント4試合と、私は幸いにも全て2-0で勝ちました。
今大会の対戦相手はバラエティーに富んでいました。
右のシェークドライブだけでなく、左利きもいましたし、他にも右のペンドラやペン表、右の表ソフト異質カットマンもいました。
最近年齢と共に、未経験の事への対応能力が衰えたと実感しているところでしたので、よく対応出来たなと自分でも思います。
そういう状況でなんとか勝ち切れたことは、とても自信に繋がりました。
結果だけ見ると完全な勝利の様に見えますが、実際はどちらが勝ってもおかしくないという試合ばかりでした。
特に決勝トーナメントは、久しぶりに対戦する選手やほぼ初対面の選手ばかりでしたし。
今回の体験で、超短期決戦の戦い方にはコツがあることが分かりました。
ああ、こうやれば勝ち易いのだな、と。
私も大会運営をする立場なのでよく分かるのですが、時間の関係でこの様な超短期決戦で進行することは実はよくあることなのです。
急にそういう試合形式に遭遇した時に、慌てず対応していくためにも、そのコツを皆さんとシェアしておきたいと思った次第です。
勝負は第一ゲーム
超短期決戦では、やはり第一ゲームを取って先行することが一番勝ち易いパターンです。
第一ゲームを落として、第二第三と取り返すのは確率的にはしんどい展開になります。
仮にそうなった場合は、何とか自分の良さを発揮して第二ゲームを取り、粘って粘って泥仕合に持ち込む様な展開にすれば、逆転も可能です。しかし、かなり苦しいです。
では、どうすれば第一ゲームを取れるのか。
まずは相手の情報収集です。
練習前にトスをして相手の用具を確認しますが、この時に相手のラケットを手に取って観察するところから始めます。
コロナ禍ではこれは出来なかったのですが、今はよく観ることが出来る様になりました。
私は相手のラバーの種類だけでなく、裏ソフトだった場合はテンション系かどうかもチェックしています。
というのも、テンション系のラバーで打球されたボールは、こちらの予想以上の回転やスピードが出るケースが多々あるからです。
実際は試合の中で相手のドライブの回転量などを確認していくのですが、事前に予備知識として頭に入れておくと対応し易いと思います。
ゲーム前の練習が始まります。
軽くフォア打ちをした後、最近ではTリーグを真似て、一方がドライブを打ちもう一方がブロックで受ける練習をする様になりました。
ここで相手の球筋をよく見ておきます。相手に打たれるドライブは、実は同じように見えて選手ごとに少しずつ違うものです。
ですから、その違いを見極めて、ボールの質に慣れておくことが大事です。
準決勝の時は、これが役に立ちました。
相手が勝負に来たボールを前陣カウンターで私が得点し、一気にこちらに流れが来ました。
偶然ではなく、準備しておいたから得点出来たのです。
バック対バックのラリーも、その選手のレベルがよく分かります。
積極的に回転を掛けてくるのか、どちらかと言うと押しを中心に来るのか。
また、こちらのミドルに来やすいのか、あるいはクロスを切って来やすいのか。
私はカットマンなので、戦術上バック対バックのラリーになることはほぼないのですが、それでも相手のクセを知っておくことは大切だと思っています。
ゲームが始まったら、よく相手を見て、出方を探ることです。
特にレシーブ番の時に、観察力をフル回転させます。
相手はどんなサーブを出して、どんな3球目攻撃を仕掛けてくるのか。
それをパターン化して覚えることです。
最初は失点したり苦しい展開に追い込まれたりするのですが、目先の得点よりも、相手のボールに慣れ、相手の意図を読むことの方が重要です。
やってくることさえ分かってしまえば、何とか対処出来る様になるものです。
こうして引き出しを開けさせるのです。
サーブ番の時は、基本的には得意のサーブから3球目攻撃を仕掛けて行きます。
この時可能な限り相手に読ませない工夫をします。
例えば、こちらのサーブのタイミングに相手が合ってきたなと感じた時には、投げ上げる高さを変えてみるとか、です。
また試合をしながら強振するボールとそうでないボールを見極めるなど、自分の調子を確かめることも必要です。
自信を持って打った攻撃がミスになった時は、特に注意が必要です。
何かが狂っている証拠で、直ちにアジャスト(調整)していかなくてはなりません。
異質カットマンと対戦した時に、いつも入るドライブが入らなかったので、私はドライブするのを止めて、確実にツッツキを入れる作戦に変更しました。
2球同じミスをしたところで、「今日は入らないのだ」と判断したのです。
あのまま攻撃し続けていたら、攻撃ミスを重ねて、私の方が先に崩れて試合に負けていたかも知れません。
ツッツキ合いの展開になり試合は長くなってしまったのですが、結果的には良い判断だったと思っています。
精神的には粘り強く戦い、簡単に先に勝負に出ないことです。
そうすると相手の方に焦りが出て無理に勝負に出てきます。
焦って仕掛ける攻撃は多くの場合は失敗するものなので、これをきっかけに相手は崩れていきます。
仮に入って相手の得点になったとしても、「ああ、たまたま入ったのだな」と受け止め、こちらは焦らず、また相手に無理をさせて攻撃をさせるように仕向けます。
無理な攻撃が2回連続で入ることはまずありません。
これで相手の勢いを止める(または衰えさせる)ことが出来ます。
本数の計算としては、2本差でリードした状態で終盤を迎えるのが理想です。
仮に逆にリードされていても粘り強く最後まで戦うことで逆転も可能です。
相手が勝負を焦ったり、練習不足から来る自信の無さが露呈したりして、こちらが逆転できることもあるものです。
こちらは余計なことは考えず、淡々と作業をこなすように試合に集中することです。
もちろん得点の時に自分を鼓舞することは忘れない様にします。
このようにして何とか第一ゲームを取ってしまいます。
長くなってしまったので、まとめると以下の様になります。
(第一ゲームを取る方法)
1.試合前の情報収集
2.試合開始直後は特に相手をよく観察する
3.得意の3球目攻撃で仕掛けるが、可能な限り相手に読ませない。
4.粘り強く戦うことを基本とし、焦って簡単に勝負に行かない。
第二ゲームの戦い方
第一ゲームを取り、かなり有利になったのですが、試合に勝ったわけではありません。
第二ゲームも油断せずに臨むことが、最初に肝心なことです。
相手としては、もう後がないわけで、猛然と攻めてくることが予想されます。
こちらのアドバンテージとしては、第一ゲームで相手の引き出しを全て開けさせていることです。
つまりどれだけ猛然と攻めてこようとも、こちらは相手の手の内が分かっているということです。
冷静に、かつ相手以上の気力で、相手の攻撃を受け切る、あるいは逆手に取って反撃することが出来れば、相手の戦意も落ちてくることでしょう。
「この相手には何をやっても効かない」
相手にそう思わせることが出来れば、試合後半に進むに従って、相手の攻撃が雑になったり凡ミスが出たりします。
点差はますます開き、俄然こちらが有利になって行きます。
しかし、こちらはたとえ点差が開いても決して気を抜かず、冷静に目の前の1本を取りに行くことです。
ネットインやエッジボールなど、ラッキーポイントから一気に流れが変わることも、卓球ではしばしば起こり得るからです。
超短期決戦に強くなるために
超短期決戦に強くなるためには、ゲーム練習が良いと思います。
それも6-6からスタートするなど、少し負荷をかけて緊張感のある中でゲーム練習をすると良いでしょう。
短いゲーム展開の中で、いかに相手の出方や心理を読むか、というトレーニングです。
短いからと言って、間違っても雑にプレーしないことです。
むしろその逆で、どれだけ丁寧に入れて行くプレーが出来るかに重点を置きます。勝敗は気にしなくて良いです。
この辺りを適当に(雑に)やっていると、本当の試合でも一か八か的な偶然性の高い技術に偏った試合になります。
勝率の高い卓球を目指したいものです。
また、超短期決戦の戦い方を覚えれば、普通の長さの試合にも応用が利きます。
練習を積み重ねて参りましょう。