将棋の3手詰とハメ手 その1
私は中学生から高校生に上がる頃まで、親友と将棋ばかり指していました。
今(2023年10月)は、藤井聡太棋士が八冠を達成して将棋界のみならず世間で注目されていますね。(^^)
将棋はとても卓球と似ていて、頭を使うので私は大好きです。
今号は、そんな将棋と卓球の話です。
将棋の3手詰
将棋を指す力のことを棋力といいます。
棋力を上げるには「詰将棋をやるのが一番の近道」と言われています。
駒の動かし方や相手の玉を追い詰める方法を覚えるための問題集の様なものです。
私もよくやりました。
詰将棋の中で一番簡単なものが、3手詰と言われるものです。
これは自分が指して、相手が指し、それに対してまた自分が指して相手玉を詰める(勝つ)というものです。
卓球の3球目攻撃
この3手詰は卓球の3球目攻撃にそっくりだと私は思っています。
自分がサーブを出し相手のレシーブを強制しそれを待ち伏せて3球目攻撃で得点する。
まさに将棋の3手詰めではないでしょうか。
ただ少し違う点もあります。
将棋の場合はこちらの初手に対して相手の受け手に選択の余地がないのに対して、卓球の場合は相手のレシーブに自由度があることです。
いくら3球目を仕掛けたくても、自分のサーブが甘ければ相手にレシーブを易々とされてしまい、こちらとしては攻撃の精度が下がります。
卓球の場合は、3球目攻撃を成功させるためには、先ず「自分のサーブ力 VS 相手のレシーブ力」の戦いで優位に立たなくてはなりません。
相手としては「こう返さざるを得ない」という様にレシーブを強制させるのです。
相手のレシーブを待って攻撃するのですから、3球目攻撃の精度がぐんと上がるわけです。
先ずはサーブで相手を圧倒する事なのです。
次にやることは「自分の3球目攻撃の幅を拡げること」です。
自分のサーブ力が上回り、相手にレシーブを強制させて自分の待っている所に返させることに成功したとしても、それではまだ50点の出来なのです。
相手のレシーブは、使う用具、タイミング、相手の力量によって球筋が微妙に違います。
その違いを吸収して自分が攻撃出来るか。
そのためには場数を踏んで経験値を上げて行くしか方法はありません。
これが出来て初めて、100点満点の3球目攻撃が成り立ちます。
サーブ力で相手を上回る事例
1.ハーフロングサーブからの展開
ちょうど台から出るか出ないかの長さにコントロールしてハーフロングサーブを出す。
相手としては台にラケットをぶつけそうになるので、持ち上げる様なドライブしか、レシーブ出来ない。
これを待ってカウンタードライブする。
(条件、注意点)
・ハーフロングになる様にサーブの長さをコントロール出来る。
・ツッツキで返球されても一発で仕留めるドライブを持つ。
・3球目のコースを打ち分けられる。
2.右利き選手の対左利き対策
フォアハンドの順横下サーブを左利きの相手のフォア側にサイドを切って出す。
通称「左殺しサーブ」。
相手は台のコーナーが邪魔になり、持ち上げる様なドライブしか出来ない。
多くは自分のバックサイドに来る。
これを待ってカウンタードライブする。
(条件、注意点)
・サーブの落点のコントロール。
・ツッツキやフリックで返球されても対応してドライブ攻撃出来る。
・ギャンブル的に横入れを狙われることもあるので頭の片隅に入れておく。
※全く逆のことを左利きが右利きに対して行うこともある。
3.相手をフォア側へ大きく飛ばす展開
私が時々使う3球目攻撃。相手のフォアへ逃げる様な回転のサーブをコーナーぎりぎりに出す。
相手の意表を突けた時は7~8割方こちらのミドルからフォアサイドに返球される。
これを待ってストレート又は相手のミドルへカウンタードライブする。
(条件、注意点)
・サーブの落点のコントロール。
特にコーナーぎりぎりに出せる様に。短いとチャンスボールとなり相手に踏み込んで打たれる。
・サーブの勢い。コントロールを気にするあまり大事に置きに行ってはいけない。
・回転の変化。横下系と横上系を混ぜる。相手はフォアに大きく動いた上に、スイングの確度を調整しなくてはならずミスが期待出来る。
・意表を突けなかった場合、ストレートに返球されることもあるので対策を練習しておく。例えばカットブロックなど。
・相手に的を絞らせないためにも、同じモーションから違うコースへも出せる様にする。
(次号へ続く)