動画の活用
卓球のYouTubeを毎日の様に観ています。
私が卓球を始めた頃は、ネット環境も無く、TVで卓球が放映されることもほとんど無く、情報を集めるのに大変苦労しました。
もっぱら、卓球レポートか卓球の技術書しか情報源がなく、貪る様に読んだものです。
出来るだけ連続写真が多く載っているものを選んで、身体の使い方を研究しました。
今はとても便利になりました。
活字を追わなくても動画を観れば、イメージを掴むことが出来ます。
しかも繰り返し何度でも再生が可能です。本当に便利ですね!
今号では、そんな便利な動画を上手に活用するための私見を述べたいと思います。
【試合の動画を観る】
世界選手権やWTTカップファイナルズなど、世界のトップによる試合が続きました。
これは見応えのある試合が目白押しでした。
張本選手や伊藤選手に代表される、日本選手の活躍は嬉しいし、観戦していてドキドキワクワクします。
好きなチャンネルを登録しておくと、好みに合わせた動画が次々に出てくるので大変便利です。
時間があれば、全部観たいと思ってしまいます。
大体、試合はダイジェスト版があったりするので、まずはさらりとそちらを観て、通常版は観たいものだけにすると良いです。
私は卓球はやるのも観るのも好きです。
最近は張本智和選手が好調で、「すげー、張本スゲー!」と言いながら観ています。
良い試合は、動機付けにもなりますね!こちらまで燃えてきます。
試合の動画で私が良く観るチャンネルは、「テレビ東京卓球チャンネル」です。
他にも主に試合を取り扱った動画があります。
とにかく明るく楽しくて、私が大好きなチャンネルは「めしだ会長」です。
【技術を学ぶために観る】
技術に特化した動画も多数あります。
バックドライブ、YGサーブ、チキータなど、どうやったら出来るようになるの?そのコツは?などという疑問に答えてくれます。
私も両面裏ソフトの特徴を活かせないものかと、バックドライブの動画をよく観ました。
私はカットマンなので、やはり一番観るチャンネルは、高島規郎先生の「高島塾」です。
高島先生の「現代卓球の初期設定」は、是非、読者の皆さんにも観て頂きたい動画です。
肩甲骨打法(楕円打法、8の字打法)は、どの戦型も習得すべき技術ではないかと私は思います。この動画で解説しています。
ミスターカットマンの高島先生の実年齢を思えば、動画に出てくる先生は恐るべき体力の持ち主であることが分かります。
カットのフットワークをしながら、普通の口調で解説しているからです。
私ならハァハァゼイゼイと息が上がって、とても普段通りの会話は出来ません!
またカットの軌道が他と全然違います。敢えて擬音語で表現すると、「すぅぅぅぅーっと」飛ぶカットなのです。
カットマンとして観る動画は、他にも、さてぃおさんのチャンネルを観ます。
塩野真人選手と御内健太郎選手と3人で練習した時の様子を撮った回は、とても参考になりました。
元全日本ベスト8の横山友一さんの動画「LINK Channel」もよく観ます。
ちょうど、T.T彩たまの英田理志選手がゲスト出演されていて、横山さんとの試合の様子がアップされていました。
英田選手は両面裏ソフトのカットマンで、私OBUが現在、最も参考にしたい選手です。憧れの選手でもあります。
試合の様子だけでなく英田選手のフォア論、バックドライブ、カットの切り方の3本の技術に特化した動画があります。
横山さんの質問がとても良いので、英田選手のそれぞれの技術の細かい所までよく引き出されています。
一般的にありがちな問題点を、英田選手はこうやってクリアしているのだということがよく分かり、さらにそれらを支える感覚的なことまで話していました。
動画もよく編集されていてとても分かり易いのが特徴です。例えば、お二人で試合を回想するシーンがあるのですが、ポップアップでその時のシーンが小ウィンドウに表示されるとか、バックドライブ編では対下回転と対上回転が並べて表示されるとかです。
バックドライブに話は戻りますが、吉田和也選手の神戸TCチャンネルがとても参考になりました。
私は我流でやっていたバックドライブを一から学ぼうと思っていましたが、この動画に出会った時にまさに目から鱗でした。
脱力して軽く打っている様に見えて、それでいて威力が抜群なのです。
どうせやるなら、こういうバックドライブをマスターしたいと、その時思いました。
是非、読者の皆さんにも参考にして頂きたい動画の1つです。
【モチベーションを上げるために観る】
一流選手の練習動画などが参考になります。
また練習前に観るとイメージが湧き、「自分もやってみよう!」という気になり、俄然練習のモチベーションが上がります。
TリーグのT.T彩たまや琉球アスティーダが練習風景の動画をアップしています。
前述の英田理志選手や朱世赫選手の練習の風景は、とてもハードな内容です。
そっくりそのままを私が真似するのは、体力的・能力的に無理がありますが、それでも、練習に向かう気持ちに対して良い影響を与えてくれています。
【情報を集めるために観る】
ラバーやラケットの試打の動画があります。購入を決める前に参考になります。
但し、あくまでも動画内で試打している人の個人的な打球感覚なので、それがそのまま自分に当てはまるとは限りません。
そういう前提の元に、何本かを観てみると、ある程度の情報を集めることが出来ます。
共通して言われていることは、自分にも当てはまるかも知れません。
購入後は、それらの点の1つ1つを自分でも検証してみると良いでしょう。
【動画を活用するために】
以上、述べてきたように、動画は色々な目的で観ることが出来ます。
動画を本当の意味で活用するためには、注意点がいくつかあります。
まず1つ目は、「時間を決めて観る」ことです。
問題は「時間が有限である」ことを忘れないことです。
ついつい見過ぎてしまいます。
目的意識が薄れてしまうと見終わっても何も残りません。この辺りはTVと同じです。
2つ目は、「動画で学んだ事を実行に移す」ことです。
何本も動画を観て何もしないよりも、たとえ1本の動画でも、集中して観て、何か1つでも練習に活かした方が良いです。
動画を観ていると何となくヒントを得られることがあるので、忘れないうちに実際の練習で確かめることです。
当然、上手く出来ません。動画を観ただけで、技術習得が出来るのならあなたは天才です。必ず何かしらのギャップがあります。
そのギャップを「動画を観ては練習する」を繰り返すことで少しずつ埋めていくのです。
3つ目は、「観る動画を選ぶ」ことです。
技術紹介の動画で言うと、すごく上手い人が上手な人同士で紹介している動画は、実は上手過ぎて、あまり参考になりません。
あんな風にやるんだ、上手いなぁ。と思うのですが、実際にやってみると全然出来ません(経験者は語る。笑)。
むしろ、すごく上手い人が、下手な人(と言っても私からすれば遥かに上手い人)に指導している様な動画が良いです。
上手くなる過程が分かるからです。そうすると自分の身に置き換えやすいです。
以上、3つの注意点を述べました。
要約すると、
「楽しみで観るのか目的を持って観るのか」
をはっきりさせ、
「後者の場合、必ず練習に活かす」
ことです。
あくまで、動画を利用して自分が上手くなることを忘れないことです。