勝敗を分けるポイント
試合が終わると、いつも考えることがあります。
それは、勝敗を決したポイントはなんだったのだろうということです。
今号では、この点を掘り下げて行きます。
【試合における「焦り」】
9月に入り、試合が目白押しです。
依然として、コロナ禍ではありますが、対策をしっかりと行った上で、大会が開催されています。
私は可能な限り試合に参加しています。
試合独特の緊張感は、試合をやることでしか味わえないものです。
この緊張下で、いかに自分のプレーが出来るかを試しています。
どんなことを感じ、何を考えてその試合をしたのかは、結構大事だと私は思います。
そして、将来に自分がやりたいプレーにどれだけ近づけているかを確認します。
ある部分は出来て、ある場面では出来ず、ということが必ずあります。
何故、出来なかったのか。
あるいは、何故、出来たのか。
そして練習に戻って反復し、もう一度試合でチャレンジします。
相手の動きやボールがよく見えていて、全体的に肩の力が抜けていると、私の場合、上手く行きます。
逆に、気持ちが焦っていたりして、相手のことやボールをよく見ていないと簡単にミスしてしまいます。
肩に力が入っている時も同様です。
カットを切ってやろう!としたり、威力ある攻撃をしよう!とする時に、肩に力が入るみたいです。
これも一種の「焦り」です。
自分はあまり無理をしないで、回転を掛けてしっかり入れるから、後は相手に「どうぞ」というつもりで、下駄を預けてしまえば良いのです。
別にチャンスボールを送るわけではなく、淡々と今の自分のベストのボールを相手に送るだけです。
そのボールを相手に決められたとしたら、それは相手が上手いと認めれば良いのです。
そう割り切れば良いところを、
「これで相手をミスさせてやる」
とか
「打ち抜いてやる」
などと余計なことを考えるから、肩に力が入ってしまうのです。
【勝敗を分けるポイント】
試合の中で流れを引き寄せるポイントが必ずあります。
それは複数あることがあり、最も影響が大きかったと後から思えるものが勝敗を分けるポイントと言えます。
それらのポイントをしっかりと掴めるか否かで、試合結果が全然違ってきます。
そのポイントは、起死回生の一発であることもありますが、案外つまらないミスであることもあります。
凡ミスと呼ばれるものですが、もったいないことです。
得点していたかもしれない1本を、相手に与えてしまうわけですから、実質的に2本差になります。
そう考えると、ホントにもったいない!
さて、ポイントは突然やってくるものではなくて、必ずその前に流れがあります。
伏線というか、布石といいますか。
私の経験では、ゲームの中盤から終盤にかけてそのポイントがやってきます。
ゲーム序盤にあることは、ほぼありません。
ですからゲームの中盤に差し掛かった時に、我慢して慎重に進めなくては、簡単に相手に流れを奪われてしまいます。
そして、その貴重なポイントを相手に奪われ続けてしまうと、不思議なことに自分が負けパターンに陥るのです。
負けパターンと言うのは厄介なヤツで、ほとんど無意識(でも薄々自分でも感づいている)に陥っているものです。
試合をあきらめているわけでもなく、雑にプレーしているわけでもなく、むしろ一生懸命にプレーしていて、このままでは負けると薄々分かっているのにも関わらず、状況を打開出来るような打つ手が何もない状態を指します。
逆に相手を負けパターンに追い込むことが出来れば、自然と勝利をモノにすることが出来るのです。
では、どうすれば、流れを引き寄せるポイント、ひいては勝敗を決めるポイントを自分が奪うことが出来るのか。
それは決して勝負を焦らないことです。
精神的に苦しくても、相手も同じだと考えて、あくまで淡々と肩の力を抜いて、相手の嫌なところ(ミスを誘えそうなところ)に、ボールを送り続けることです。
一言で言うと、我慢が肝心だという事です。
仮に、ポイントを相手に奪われてしまって、負けパターンに陥ったとしても、まだ勝負がついたワケではないので頑張ることです。
今、自分は負けパターンに陥っていると気付くだけでも大したものです。
どうせ負けるのであれば、思い切った手を打ちたいところです。
思い切った手、というと、すぐに我々日本人は「破れかぶれ」や「一か八か」を連想してしまいます。
そうではなくて、相手の立場に立ち、今の相手にとって最も嫌なことを実行するのです。
相手にとって嫌なこととは、相手にとって楽なことの反対です。
例えば、序盤・中盤で相手にポイントを奪われて大量リードされたとします。
相手にとって楽なのは、あなたが諦めることです。
そういう時に、静かな闘志を漲らせ、淡々とあなたが相手に向かって行ったらどうでしょうか。
おそらく相手はとても嫌がりますよね。
また、リードした方としては、早く勝負をつけて楽になりたいと考えるはずです。
そこであなたが粘りに粘って、失点したとしても、1点取るのにも相手に非常に苦労させたとします。
これも相手にとってはすごく嫌ですよね。
思い切った手とは、そういったことです。
ここ最近、沢山試合をこなしてきて、自分が負けパターンに陥ったことも、相手を負けパターンに追い込んだことも両方経験して来ました。
それらの試合を振り返ると、それぞれに必ず勝敗を分けるポイントがありました。