自分の試合を観る その2
以前の号で、自分の試合をビデオで観ると成長のチャンスがあることが分かる、とお伝えしました。
今号は、その続きです。
言うまでもなく当たり前の事なのですが、ビデオ録画しておくことの良さは、何度でも見返すことが出来ることです。
見返してみて、改めて気付いた点を、皆さんとシェアしたいと思います。
【試合を分析する】
先日の0-3で自分が敗れた試合を、どんな展開で得点あるいは失点したのかをメモを取りながら見直しました。
自分の未熟な面と向き合うことは、結構辛いものですが、これをしなくては次の段階へ成長することが出来ません。
私はカット主戦のオールラウンダーを目指しています。
ですので、まず最初に着目したのは、この試合でどれくらい攻撃を仕掛けて、どれくらいの得点率だったのか、でした。
【私の攻撃面】
主観的には、
「沢山攻撃して、決まったボールもあれば攻撃ミスもあった」
くらいに思っていましたが、データで統計を取ってみると次の様でした。
1ゲーム目。
10本攻撃、6本得点、4本ミス。成功率60%。
2ゲーム目。
4本攻撃、1本得点、3本ミス。成功率25%。
3ゲーム目。
5本攻撃、2本得点、3本失点。成功率40%。
ゲーム全体。
19本攻撃を仕掛けて9本得点。得点率47%。
このデータから、私が仕掛けた攻撃の成功率が約5割と低いことが分かります。
相手は左のペンドラで、のらりくらりとクセ球で粘り、要所だけ攻めてくるタイプでした。
剛球を何本も打ち込んでくるタイプではないので、こちらとしては攻撃チャンスが数多くあったのは事実です。
私の攻撃力がこの試合の鍵であったのは、間違いありません。
攻撃の成功率は、この試合の様に50%前後ではなく、80~90%以上でないと、今後私が勝つことは難しいでしょう。
攻撃の成功率を上げる事。これが私の課題の一つです。
もう少し詳しく内容を見て行くと、1ゲーム目のスコアは9-11。合計20本中、半分を私は攻撃しました。
かなり積極的に攻撃を仕掛けていたと言っても良いでしょう。
2ゲーム目、3ゲーム目のスコアは、それぞれ、5-11、9-11でしたので、合計16本中4本、20本中5本と、4分の1しか攻撃していません。
粘る作戦に切り替えたとは言え、攻撃面としては消極的だったと言わざるを得ません。
私の得点の合計は、9+5+9=23点。そのうち、攻撃で得点した点数は、6+1+2=9点でした。
攻撃で得点した比率は約40%です。
攻撃の成功率を上げる事も大切ですが、ゲームの中で攻撃を使用する比率も上げなくては意味がありません。
自分の全得点の半分50%を攻撃で取る、ことを目標としたいです。
また、3ゲーム目の攻撃に関しては、5本攻撃して得点に結びついたのは2本でした。
そのうちの1本は、相手の強打を打ち返すカウンターでした。
もう1本は、カット対ドライブのラリーから、ナックルカットを送り、ツッツキが浮いたところを回り込んでドライブで決めました。
2本とも、自分の中ではファインプレーでした。
一方、失点の2本は私の攻撃は入ったもののブロックで跳ね返され、ようやく繋いだ所を逆襲されたものでした。
つまり、1、2ゲーム目の様な私の攻撃ミスではなくて、3ゲーム目の私の攻撃は打ったけれども得点には繋がらなかったものです。
このことから3ゲーム目は、
「お互いに相手のボールに慣れていた」
ことが分かります。
そうなると、タイミングやコースを変えるなど試合全体を通じて攻撃を効かせるための工夫が必要になって来ます。
【サービスエースとレシーブミス】
私の目指す卓球の1つが、
「サーブで得点してしまう。または、サーブで相手を崩し3球目で決める」
です。
サービスエースは試合全体で4本あり、そのうち3本が3ゲーム目でした。
試合の序盤でなくて、3ゲーム目でエースが取れたことは自信になります。
もっと磨きをかけていきます。
逆に相手のサービスエース(私のレシーブミス)も、3本ありました。
これは各ゲームに1本ずつありました。
【相手の弱点】
ビデオを観ていて、改めて相手の弱点がよく分かりました。
上手く攻めることが出来ている時と、そうでない時がありました。
もっと厳しく一貫して相手の弱点を攻めていれば、あるいはもう少し競った展開になったかも知れません。
自分の甘さを改めて思い知りました。
逆に相手は私の良い所を封じて、自分の良い所を遺憾なく発揮したように思えます。結果論ですが。
【攻撃の成功率を上げるには】
では、私の攻撃の成功率を上げるにはどうすれば良いか。
それは「よく判断すること」だと思いました。
実は、すでに試合があった日からは随分時間が経っており、試合を反省して練習も何回かしております。
その中で思うことは、攻撃の判断をわざとギリギリまで遅らせることがコツだという事です。
私はどんなボールでも攻撃すると決めたら打ちに行く、という傾向がありました。
私が攻撃がよく決まっている時はどんな時かよく自分で分析すると、きちんと判断して打っている時だとある時に分かったのです。
カットからの反撃が、私は比較的得意です。この時の私はギリギリまで打てるかどうかの判断を遅らせているのです。
次はチャンスボールが来るぞと予測して、体勢も作って前に出て行くのですが、その時点で打つかどうか決めていません。
相手を見る余裕もあります。そのまま攻撃することもありますし、やっぱり止めることもあるのです。
判断には、球種の判断も含まれます。このボールはこういう種類のものだ、という判別の事です。
今回の相手で言うと、同じように見えて実は微妙に球種が違っていました。
左利きのフォアハンドのボールは、こちらのバックへ曲がって来るのですが、
・ほぼ真横
・少し上回転が混ざっている
・少し下回転が混ざっている
の3種類があったのです。
この3つ目の「少し下回転が混ざっている」という繋ぎボールは、私は経験上初めて受けるものでした。
この場合分けが私は出来ておらず、攻撃のみならずカットまでミスをしていたのです。
これもビデオを見返して初めて分かった事です。
この様に、
・攻撃できるボールなのかの判断
・どういう球種なのかという判断
の精度を上げて行くのが、攻撃の成功率を上げる秘訣だと思うのです。
【まとめ】
少し話は逸れますが、自己啓発の本やセミナーで、
「強く思えば、その目標は実現する」
というものがありました。
その言葉は、間にあるものをとても省略していると、私は思います。
まず最初に強い決心は必要ですが、その後に具体的な計画やそれを遂行することなどの行動(努力)があってこそ、結果が実を結ぶのだと思うのです。
強く思ってさえいれば実現するというのは大きな勘違いです。その間に行動が伴わないといけません。
今回のビデオによる振り返りは、まさにその行動に当たる部分だと私は思っています。
せっかく体験したことですので、今後の練習に活かしていきます。