フットワークについて その4
いつも読んで下さってありがとうございます。
学生時代にフットワークをマスターしたことで、
自分の卓球の幅が大きく広がりました。
一学年下にOSAというペンのドライブ型の後輩がいまして、
私とカット対カット打ちの練習をよくやりました
OSAは手首が柔らかくラケットヘッドが下がっているからか、
バッククロスのカット打ちのボールが曲がってきます。
私の身体に食い込んでくるイメージです。
しかも曲がりながら沈む性質を持つドライブで、
私はラケットの角度を合わせるのに大変苦労をしました。
そして少しでも私の返球が浮くと、
OSAは積極的にスマッシュを打ってきます。
このスマッシュがややシュート気味のボールで、
ちょうど私の身体から逃げて行く様なイメージなのです。
私からすれば、通常のドライブは身体に食い込み、
決め球のスマッシュは身体から逃げていくので、
本当にやりにくい相手でした。(笑)
このOSAのクセのある打球を完全に拾えるようになれば、
どんなボールでも私は拾えるだろうと当時は考えていました。(^^;;
実は、身体から逃げて行くボールを追いかける、つまり単純に後ろに
直線的に下がるのではなく、後ろに下がりながらかつ横方向にも動く
ためには、前号の2歩目を左足の「前を」通す方が良いのです。
その方が楽に追いつけることが、練習を通じて分かりました。
フットワーク(脚の運び方)は、この様に固定した考えではなく、
相手のボールに応じて柔軟に対応すべきなのだと思います。
フットワークというのは最適打球点まで、素早く、効率よく、楽に
動くための技術だからです。
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実はカットの前後のフットワークには更に深い話があります。
これは故藤井基男氏(日本のシェークカットの先駆者)が
当時の卓球レポートの中で書かれていたことです。
バックカットの後に相手のストップを飛び込んでバックハンド
スマッシュする時の脚の運び方は直線的に前へ出るのではなく、
やや弧を描く様に前へ出ると良いということです。
その方がバックハンドスマッシュを打つ半身の体勢が作り易い
ということなのです。
フットワークによほど余裕がないと出来ない技術ではありますが、
やってみるとなるほど肩が入り半身になりやすくバックハンド
スマッシュが打ち易いことが分かりました。
当時の卓球レポートには体験に基づく細かいこと(かつ具体的なこと)が
書かれてあり、とても役に立ちました。(^^)v
藤井氏がベースボールマガジン社から発行した
「卓球・カットマン編」には「カットは足でする!」という章があり
フットワークの大切さが書かれています。
藤井氏の書く文章は論理的で分かり易く、かつ根底に明るさが
感じられるので、私は大ファンなのです。(#^^#)
私の書いている文章も藤井氏の影響を大いに受けているのです。(^^)